ビットコイン過去最高値、オンチェーン分析で見えた長期保有者の動向
「古いコイン」の増加傾向は5ヵ月ほど続いています。
過去5ヵ月で「古いコイン」の割合は10.9%ポイント増えて51.6%に到達しました。一方、「若いコイン」の割合は11.8%ポイント減少し、25.49%となりました。これは、ビットコインが5700ドル付近で推移していた2018年11月以降で最低の水準です。
ビットコインは9月に低迷し、10月に急上昇しましたが、どちらの月でも長期保有者が売らなかったと言えそうです。
「ホドルウェーブ」からも、すぐにマーケットで売買されるようなビットコインの供給量が減少していることが分かります。「供給ショック」説の裏付けとなるでしょう。
「マイナーの保有動向」Bitcoin Miner Supply
次は、ビットコインのマイナーの動向をみてみましょう。ブロック作成に成功したマイナーには報酬と手数料が支払われる仕組みになっています。現在は、1ブロックあたり6.25BTCの報酬です。
あまり知られていませんが、ブロック作成に成功したマイナーに対する報酬支払いは、「コインベース」と呼ばれる各ブロックにおける最初の取引として処理されます。つまり、マイナーのビットコイン保有動向を知りたければ、「コインベース」としてビットコインを受け取ったアドレスを調べれば良いことになります。
クラーケン・インテリジェンスは、基本的に「コインベース」取引の受け手はマイニングプールである考えます。マイニングプールは、複数の個人や企業が参加するマイニング事業を手がけています。大元のマイニングプールにビットコインが報酬と支払われたあと、参加者に分配されます。
マイニングプール元締めのアドレスからみて、マイニングプール参加者のアドレスは「ワンホップ(1-HOP)」、マイニングプール元締めのアドレスを「ゼロホップ(0-HOP)」と呼びます。
マイニング事業には、マイニング機器や施設代、人件費など諸経費がかかります。諸経費の支払いを直接ビットコインでできる国は現状ほとんどありませんから、マイナーはビットコインを取引所など法定通貨に交換できる場所に送る必要があります。
もし価格が上昇トレンドにある中でマイニングプールのアドレス(ゼロホップ)の保有量が減少トレンドになると、一般的にマイニングプールが利益確定の機会と捉え、蓄積したビットコインを取引所などのアドレスに送信し、売却を始めたことを示します。
対照的に、価格上昇にもかかわらずゼロホップ保有量の増加トレンドが継続すれば、マイニングプールが蓄積を継続する意思があることを意味します。マイニングプールによる現在の相場への自信の表れとも言えるでしょう。