最新記事

ビットコイン

ビットコイン過去最高値、オンチェーン分析で見えた長期保有者の動向

2021年10月25日(月)12時51分
千野剛司(クラーケン・ジャパン代表)

211023kr_ocrk03.png

(出典:Kraken Intelligence, Glassnode「古いコイン(Old Coins、赤)、若いコイン(Young Coin、青)、ビットコイン価格(紺)」)

「古いコイン」の増加傾向は5ヵ月ほど続いています。

過去5ヵ月で「古いコイン」の割合は10.9%ポイント増えて51.6%に到達しました。一方、「若いコイン」の割合は11.8%ポイント減少し、25.49%となりました。これは、ビットコインが5700ドル付近で推移していた2018年11月以降で最低の水準です。

ビットコインは9月に低迷し、10月に急上昇しましたが、どちらの月でも長期保有者が売らなかったと言えそうです。

「ホドルウェーブ」からも、すぐにマーケットで売買されるようなビットコインの供給量が減少していることが分かります。「供給ショック」説の裏付けとなるでしょう。

「マイナーの保有動向」Bitcoin Miner Supply

次は、ビットコインのマイナーの動向をみてみましょう。ブロック作成に成功したマイナーには報酬と手数料が支払われる仕組みになっています。現在は、1ブロックあたり6.25BTCの報酬です。

あまり知られていませんが、ブロック作成に成功したマイナーに対する報酬支払いは、「コインベース」と呼ばれる各ブロックにおける最初の取引として処理されます。つまり、マイナーのビットコイン保有動向を知りたければ、「コインベース」としてビットコインを受け取ったアドレスを調べれば良いことになります。

クラーケン・インテリジェンスは、基本的に「コインベース」取引の受け手はマイニングプールである考えます。マイニングプールは、複数の個人や企業が参加するマイニング事業を手がけています。大元のマイニングプールにビットコインが報酬と支払われたあと、参加者に分配されます。

マイニングプール元締めのアドレスからみて、マイニングプール参加者のアドレスは「ワンホップ(1-HOP)」、マイニングプール元締めのアドレスを「ゼロホップ(0-HOP)」と呼びます。

211023kr_ocrk04.png

(出典:Kraken Intelligence, Coin Metrics「ビットコインマイナーの供給量(0ホップ)」)

マイニング事業には、マイニング機器や施設代、人件費など諸経費がかかります。諸経費の支払いを直接ビットコインでできる国は現状ほとんどありませんから、マイナーはビットコインを取引所など法定通貨に交換できる場所に送る必要があります。

もし価格が上昇トレンドにある中でマイニングプールのアドレス(ゼロホップ)の保有量が減少トレンドになると、一般的にマイニングプールが利益確定の機会と捉え、蓄積したビットコインを取引所などのアドレスに送信し、売却を始めたことを示します。

対照的に、価格上昇にもかかわらずゼロホップ保有量の増加トレンドが継続すれば、マイニングプールが蓄積を継続する意思があることを意味します。マイニングプールによる現在の相場への自信の表れとも言えるでしょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国不動産投資、1─2月は前年比11.1%減

ワールド

ドバイ空港付近のドローン攻撃による火災鎮火、フライ

ワールド

高市首相、ホルムズ護衛活動「何ができるか検討中」 

ビジネス

中国鉱工業生産、1─2月6.3%増に加速 消費指標
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 6
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 7
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中