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起業の成功に必要なもの...資金・コネ・知識・経験より大事な4箇条

Starting Your Own Business

2021年9月24日(金)18時01分
キャラ・ゴールディン(ヒント創業者・CEO)

こうした対話から、私はコミュニケーションのコツを学んだ。健康の悩みはさまざまだが、製品が健康維持に一役買ったというエピソードは積極的に広めたほうがいい。具体例を広く発信すれば、消費者がSNSなどでシェアしてくれる。

消費者を理解し、彼らが製品に関心を持つ「理由」を知ることはビジネスの要だ。

失敗から学ぶ

10年、ヒントは幸運にもコーヒーチェーン大手スターバックスと契約し、全米のスターバックス店舗でフレーバーウオーターの取り扱いが始まった。

ところが契約は1年半で打ち切りに。スターバックスがサンドイッチなどの利益率の高いメニューを入れるために、7000を超える店舗からヒントを締め出したのだ。目標の3倍を売り上げて有頂天だった私たちは、いきなりどん底に突き落とされた。

こうした事態に備えて取引先の新規開拓に励むべきだったのに、私たちはスタバとの関係維持に全精力を傾けていた。収益の実に40%が2週間で消え、この衝撃を乗り越えるのは本当に大変だった。

この一件が教えてくれたのは、特定の取引に精力を傾け過ぎてはいけないということ。取引が1社に偏ると、順調なうちはいいけれど、契約を失ったときの痛手は大きい。スターバックスに契約を切られた私たちは、在庫を抱えて途方に暮れた。

もう1つ学んだことがある。消費者とダイレクトなつながりのない会社は脆弱なのだ。小売店やオンラインで商品が買えることを消費者に伝えたくても、私たちには伝えるすべがなかった。消費者はスターバックスでヒントを飲めなくなっても、ほかにどこで購入できるのか知らなかった。

多くの顧客がまずはアマゾン、続いて公式オンラインショップ、そして増えつつあった取扱店でヒントを探し当ててくれたのはありがたい話だ。だが私たちが消費者とじかにつながっていれば、もっと簡単に見つけてもらえただろう。

以来ヒントは消費者に直接製品を届ける「D2C事業」に力を入れ、現在はオンラインショップの売り上げが総売り上げのほぼ半分を占める。失敗から学んだのだ。

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