取引先から切られる? SDGsが中小企業にとって重要になる理由
CSR調達を意識しないと仕事を切られる?
SDGsは大企業ばかりではなく、中小企業のビジネスにも関係があります。大企業ではすでに全体のサプライチェーンを意識して、CSR(Corporate Social Responsibility)調達を積極的に行っているのが現状です。
「CSR調達は、取引先を選ぶ際の基準として価格や機能だけでなく、CSRの状況も評価に含めるという調達方法のことです。環境や社会への影響力がある大企業は、機関投資家やNGO(非政府組織)などからESG問題への取り組みをチェックされる立場にあります」
『やるべきことがすぐわかる! SDGs実践入門 ~中小企業経営者&担当者が知っておくべき85の原則』より
世の中には、森林破壊をした企業の製品の不買運動が起こったり、環境を壊している企業をマスコミが追及したりして、企業の信用を失墜させるような事件があります。
だからこそ、大企業が仕事を依頼するときには、下請けである中小企業がコンプライアンスを遵守しているかチェックし、基準に合わないところは、サプライチェーンから外れてもらうということも起こっています。中小企業にとって、CSR調達への適合力を高めることは、SDGs時代の生存戦略と言えるのです。
SDGsはビジネスの棚卸を助けてくれるツールにもなる
企業は毎年、決算によって自社の現状を把握しています。しかし、ESG問題がビジネスの成長の制約要因となっている現在では、企業の棚卸はもはや"経済性の棚卸"だけでは不十分です。
今後、企業はESG問題の対応を想定した社会性の棚卸をする必要があります。SDGsは17の目標を通じて、網羅的にESG問題を提示しているので、ツールとして次のような使い方ができます。
①SDGsの各目標を参考に、自社のビジネスに影響を与えるESG問題を知る
②自社の活動をSDGsの枠組みでチェックし、実践できている目標と実践できていない目標を整理する
③整理した結果をビジネスの改善に活用する
『やるべきことがすぐわかる! SDGs実践入門 ~中小企業経営者&担当者が知っておくべき85の原則』より
自社の商品やサービスを棚卸しすることは、持続可能な会社経営にも役立っていくことでしょう。SDGs経営を始める第一歩として、17の目標をツールとして用い、「どのような改善点や改革の視点があるのか」と考えることから始めてみませんか?