米雇用が回復しても格差はさらに拡大?
社会の富は上位1%ではなく0.1%の「本物の金持ち」に集中する
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アメリカでの金持ちとそれ以外との格差は、私たちが思う以上に拡大していたようだ。
カリフォルニア大学バークレー校の経済学者エマヌエル・サエスとロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのガブリエル・ザックマンは、アメリカの「富」の格差に関する新しい調査結果を発表。その内容は衝撃的だった。
富とは、ある世帯が所有するものの価値の総額で、持ち家や債券などから負債を引いたものだ。調査結果を見ると、アメリカで上位1%の富裕層が所有する富の割合は、1980年代に比べて少なくなっている。
しかし、問題はそこではない。
調査が示しているのは、かつて世界を席巻した「1%」という表現に意味はなく、真の勝ち組はわずか「0・1%」しかいないということだ。アメリカで最も裕福な0・1%の世帯は現在、最低でも2000万ドルの富を所有する。アメリカの全世帯の富のうち彼らの富が占めている割合は、60年代の10%から現在では20%に倍増した。
考えてみてほしい。人口の1000分の1が、アメリカの富の5分の1を所有しているのだ。
スーパーリッチ層はさらに金持ちになっているが、それより下位の富裕層はあまり変わらない。上位0・5〜1%層が所有する富の割合は60年代からほぼ横ばいだ。一方、彼ら以上にリッチな0・1〜0・5%層のシェアはやや上昇。さらに、その上をいく上位0・1%層、特に最上位0・01%のシェアは大きく上昇した。
「富」が膨れ上がるメカニズム
11年に発生した「ウォール街を占拠せよ」デモでは、豊かな1%とそれ以外の99%の経済格差が焦点だった。だが経済専門家は当時から、金融市場がグローバル化した現代の経済で最大の勝ち組は、1%の中でもさらに一部のスーパーリッチたちだと指摘していた。アメリカの富は、人々が考えるよりもはるかに限られた人たちに握られているのだ。