vol.4 歌手 平原綾香さん
──ところで、去年はデビュー10周年の年でしたよね。この10年間を振り返ってみていかがですか?
「楽しいことも苦しいこともありましたけど、濃い10年でしたね。最初は学生だったので学校との両立も大変だった時期もありましたし」
──この10年間で歌や音楽に対する思いに変化はありますか?
「音楽面で言うと、前よりも高い声を出せるようになったし、前よりも低い声を出せるようにもなったと思います。なにせ歌に関してはゼロからスタートしたので、この10年間は歌に出会うための旅だった気がします。歌に関して悩んだこともありましたけど、やっぱり出せない声を出せるようになると嬉しいんですよね」
──今後の活動に関してはどのように考えていらっしゃいますか?
「2004年10月の新潟県中越地震の際、地元の方々が『Jupiter』を応援歌として聴いてくださったんですね。そのとき、歌を歌うということがどういうことなのか考えさせられました。私の歌を聴いて自殺を留まったという方からお手紙をいただいたこともありますし、子どもやおじいちゃん・おばあちゃんからお手紙をいただくこともあるんです。音楽を続けていく以上は社会的責任を持って歌っていかないといけないんだなと思うようになりましたね」
──最後にちょっとした余談なんですが、平原さんはプライヴェートではどんな音楽を聴いているんですか?
「なんでも聴きますね。昔、<歌の先生>と崇めていたのがクリスティーナ・アギレラ。彼女の器用なところとか、いろんなことをしていてもすごく純粋なところが好きで。あとはララ・ファビアンというベルギーの歌手や、フィリピンのレジーン・ベラスケスも好きですね。ヘヴィメタルも好きですし......やっぱり父の影響でいろんな音楽が好きなんですよ。細かいジャンルというより、音楽という大きなジャンルが好きなんでしょうね」
PROFILE
平原綾香(ひらはらあやか)歌手
1984年東京生まれ。父はサックス奏者の平原まこと。2003年にホルストの組曲『惑星』の『木星』に日本語歌詞をつけた『Jupiter』でデビュー。04年日本レコード大賞新人賞や、11年「平成22年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞(大衆芸能部門)」など様々な賞を受賞。13年にユニバーサル ミュージックへ移籍し、同年12月にデビュー10周年を迎えた。