コラム

熱中症患者を氷風呂に入れる「冷水イマージョン」は日本でも行うべき?

2022年06月29日(水)12時00分

この「冷水イマージョン法」ですが、日本でも2021年に行われた東京オリンピック、パラリンピックでは、熱中症の重症患者が発生した場合に備えて「氷風呂」の準備がされていたようです。ですが、緊急使用した事例は報じられておらず、従って一般に普及することもありませんでした。

確かに、患者の全身を「氷水に浸ける」というのは、見た目が緊迫感にあふれ過ぎていますし、心臓疾患を怖がる周囲の印象論を管理する必要もあると思います。ですが、一刻を争う中で生死を分ける救命方法としては、多くの国で有効性が認められているのもまた事実です。

この「冷水イマージョン」救命法について、日本でも研究を進め、啓蒙普及を進める時期ではないでしょうか。熱中症に関して、社会一般に対しては、あくまで予防を呼びかけるだけで、万が一重篤な患者が出た場合は救急車を呼ぶというだけでは、済まない事態になってきていると思うからです。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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