- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 大谷翔平選手が審判団と「妥協」すべきでない理由
大谷翔平選手が審判団と「妥協」すべきでない理由
アメリカの主観的なジャッジに大谷選手は違和感を覚えているかも USA TODAY USPW/REUTERS
<オオタニが特に多くの誤審を受けているのは、審判団の中で「やりにくい」という感情が共有されているからではないか>
ロサンゼルス・エンゼルスの先発投手兼指名打者として「二刀流」の活躍を続けている大谷翔平選手は、審判の判定、とりわけストライク、ボールの判定において、多くの誤審によって不利な扱いをされています。
打者としては四球のはずが見逃し三振になったり、反対に投手としては自信を持って投げたストライクがボールと判定されたりすることもあるようです。最近では、こうした誤審が大谷選手をめぐって余りにも顕著であるために、試合の中継にあたって解説者などが、審判を批判することが多くなりました。
この問題ですが、背景としては、アメリカの野球界における審判の判定が、日本と比較すると「主観的」だという問題があります。例えば、プロだけでなく、アマチュアの少年野球(リトルリーグ)や高校野球など、アメリカの広い「草の根野球」まで広げて考えた場合がそうです。私が目撃した範囲でも、そこには「正しい判定」以外に3つの判定があると考えられます。
1つは「判定の取り引き」です。「さっきのボールはもしかすると入っていたかもしれないから、今度はクサい球をストライクにしてやった」的な判定というのは、明らかにあります。2つ目は「温情判定」で、これはリトルリーグなどで、なかなかストライクの入らない投手がギリギリに投げたら「甘めにストライクにする」というもので、これも場の雰囲気から許されることが多かったです。
英米法的カルチャー
もっと露骨なのが「サヨナラ判定」で、延長戦などで全員が疲れている場合や、試合の大勢が決まっている場合に、最後の1球が多少外れていてもストライクにして「みんな、さあ帰ろう」ということもあります。
子供たちは、こうした「人間くさい判定」を経験する中で、審判の権威には従わねばならないこと、そして真実と事実とは異なり、全員の利益になるように人間が作り上げるものという一種の英米法的なカルチャーを学ぶのです。判定が「主観的」である背景には、こうしたカルチャーがあります。
これが、2010年前後に変化し始めました。審判によって判定に個人差のあることを問題視したMLBが、自動判定システムで実態調査に動いたことや、2011年ごろからテレビ各局が、中継画面にストライクゾーンの枠を表示して投球だけでなく、審判の判定にも批判を加えるようになったことが背景にはあります。WBCや五輪による野球の「国際化」も関係しているかもしれません。
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
経験者優遇!Recruitment Consultant「外資系製薬・メディカルデバイス領域専任」
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
- 東京都
- 年収550万円~1,500万円
- 正社員
-
「外資系クライアント支払コーディネーター」英語力を活かす!“サポートする”やりがい+働きやすい職場環境
RSM汐留パートナーズ株式会社
- 東京都
- 年収350万円~500万円
- 正社員