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日米サプライチェーン連携で、日本の低迷は救えるのか?
このサプライチェーンと先端技術の役割分担構想ですが、全くダメとは言いません。コロナ禍で大きく傷ついた国内経済には、全体として少なくともプラスの効果は期待できるからです。
ですが、何でもアメリカの言うことを聞けば良いというわけではないと思います。特にテックの分野においては、コロナ禍の影響をほとんど受けていないために、GAFAの営業規模、そして資金力は更に肥大化しています。何でも言いなりになっていれば、中国よりも安く労働力を叩かれ、町工場などに残っている独自ノウハウも持って行かれてしまいます。気がついたら、技術は流出し、人々は一層貧しくなっている、そんな結果に陥る危険は十分にあります。
グルーバル経済というのは、21世紀の現代では必然だと思います。技術や資金の流通、国際分業は完全に止めることはできないからです。ですが、それでも国単位の、あるいは通貨圏ごとの繁栄や衰退ということはあり得ます。国としての産業構造や、技術の育成と防衛ということをしなければ、グローバルな競争の中で不利な戦いを強いられて最終的には国も国民も貧しくなってしまいます。
日本の場合は、過去30年以上にわたって、そのような撤退戦を続けてきました。その結果として、これだけの高学歴社会でありながら、幸福度も一人当たりのGDPも減り続けてきたわけです。今回の「日米の役割分担」が、そうしたトレンドに歯止めをかけるものなのか、それとも衰退の加速につながる危険を含んだものなのか、それは政権と財界が、少なくとも現状の豊かさを守り切る決意があるのかに掛かっています。
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