プレスリリース
アスベスト(石綿)による健康被害についての無料電話相談を実施
2021年11月09日(火)16時30分
令和3年5月17日に下されたいわゆる建設アスベスト健康被害集団訴訟最高裁判決を受け、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(所在地:愛知県名古屋市中区、代表:弁護士 渥美 玲子)は、下記日時にて、愛知、岐阜、三重の弁護士(石綿)健康被害についての緊急電話相談会を11月20日(土)に実施いたします。広く報道いただきますようお願いいたします。
記
受付日時 :令和3年11月20日(土)午前10時~午後4時
電話相談番号:052-331-9054
(金山総合法律事務所の電話番号です)
実施場所 :金山総合法律事務所
〒460-0022 名古屋市中区金山1丁目9番17号 金山スズキビル8階
主催 :アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(代表者弁護士渥美玲子)
概要 :愛知、岐阜、三重の弁護士が無料でアスベスト・じん肺被害の
救済制度・救済方法等に関する電話相談に応じます。
アスベスト疾患やじん肺に詳しい医師も相談に応じます。
秘密厳守。相談は無料です。
以下、アスベスト健康被害についての緊急電話相談会の開催趣旨と、電話相談で確認可能な内容等をお伝えいたします。
1. 実施の趣旨
(1) 令和3年5月17日、最高裁判所は、全国4か所(横浜、東京、京都、大阪)の原告団による建設アスベスト健康被害集団訴訟について統一的な判決を言い渡し、国の責任を認めました。また、最高裁は、民法719条後段の類推適用により、建材の市場占有率(シェア)の大きい建設材料のメーカーの賠償責任についても幅広く認めつつ、高裁でメーカーごとの責任の範囲や賠償額を審理し直すよう命じ、高裁での審理が継続することとなりました。
最高裁は、昭和50年10月1日(特定化学物質障害予防規則改正時)から平成16年10月1日(改正労働安全衛生法施行令施行時)の間、国により呼吸用保護具の使用義務付け等に関する適切な規制がなされていなかったとして、同期間内に屋内の建設現場で働いてアスベストにさらされたことにより健康被害に遭われた方に対し、国の責任を認めています。なお、個人事業主として建設業に携わるいわゆる一人親方も救済の対象となっています。
また、判決を受け、国が原告に最大1300万円の和解金を支払うとの提案が国から行われ、原告団が了承したほか、訴訟外での被害者救済のための基金制度創設も検討されているとの報道もなされています。
(2) そして、上記最高裁判決を受けて、令和3年6月9日に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が成立し、同月16日に公布されました。
同法律においては、いわゆる「建設アスベスト給付金制度」の内容が定められています。その概要は、建設業務に従事していた方のうち、昭和47年10月1日から昭和50年9月30日までの間に石綿の吹付け作業を行っていた方及び昭和50年10月日から平成16年9月30日までの間に一定の屋内作業場で行われた作業(詳細は未定)を行っていた方で、アスベストを原因とする一定の健康被害を受けた方を対象に、国から最大で1300万円が支給されるというものです。給付を受けるための手続きの詳細は未定ですが、希望者から厚生労働大臣に対して給付金の請求を行い、請求に基づく審査によって給付を行うかどうかが判断されることになっています。請求の受付けを開始する日は未定ですが、令和3年6月16日から1年以内とされています。
(3) 上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、多くの被害者が救済の対象となりうる大きな意義のあるものです。令和3年6月25日に厚生労働省が公表した「令和2年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」
図3-1によると、アスベスト疾患による労災認定者のうち建設業の占める割合が54.6%と最も多く(参考URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19199.html )、建設業に従事した方のアスベスト健康被害は多数にのぼっています。これは、建材にアスベストが大量に使われていたこと、国の住宅政策等による建設需要により多くの建設作業従事者が建設作業中にアスベストにさらされたためです。当然、東海3県においても建設アスベストによる被害者が多くおられますが、国や建材メーカーへの損害賠償請求ができることについての周知は不十分な状況です。上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、建設アスベストによる健康被害が広く救済される端緒となるものです。
(4) アスベスト健康被害についての国や企業への損害賠償請求については、情報提供が不十分な状況であり、弁護士による支援が不可欠です。また、現在症状がない方でも健康診断を定期的に受けられる制度があり、その時々で適切な救済手段を検討する必要があります。
そこで、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団は、東海3県にお住まいの方を対象に緊急の電話相談会を開催することといたしました。
当日は、弁護士だけでなくアスベスト疾患に詳しい専門医も電話相談に応じます。
2. アスベスト被害救済等についての説明
アスベストは戦後の高度経済成長期に大量輸入・大量使用され、建材等のみならず、思いもかけない場面で使用されてきました。誰もがどこかでアスベストにばく露された可能性があり、アスベストにばく露された人は膨大な数にのぼります。また、石綿関連疾患の中皮腫は、潜伏期間が30年あるともいわれ、今後も重篤な被害を受けて救済を必要とされる方の数は増加していきます。
救済手段としては、国や建材メーカーへの訴訟提起の他、雇用主への訴訟提起、労災申請(労働者や、特別加入の一人親方)、石綿救済法に基づく救済(アスベスト工場の近隣住民等の労働者以外の方)、健康管理手帳の取得(労働者で健康被害がまだ出ていない方)等があります。
アスベストによる健康被害は、(1)肺がん(石綿肺所見等のあるもの)、(2)中皮腫、(3)びまん性胸膜肥厚、(4)良性石綿胸水、(5)石綿肺です。救済を受けるには、アスベストによる健康被害である事を立証する必要があります。病態は様々なためにアスベスト関連疾患の専門医でなければ判断がつかない微妙なケースもありえ、アスベスト疾患の専門医による支援も不可欠です。当弁護団は専門医の協力をえながら、適切な救済を受けられるよう支援を行います。
3. 報道機関の皆様へのお願い
アスベストの被害を受けているにもかかわらず、補償を受けることができていない労働者の方々が沢山いるはずです。
本年6月にも今回と同様の110番を実施しましたが、報道をご覧になった方々から80件もの相談がありました。健康被害を受けた方が適切な救済を受けるきっかけになりえますので、ぜひ、電話相談会(110番)を広く報道してください。事前の告知記事を掲載いただき、電話相談会当日も、是非、金山総合法律事務所に取材にお越しのうえ報道していただければと思います。
4. アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団
アスベスト・じん肺による健康被害の法的救済を図ることを目的に東海3県を中心とする弁護士によって組織された団体です。
2005年の弁護団結成以来,毎年春と秋に110番(電話相談)活動を実施し、年間20件から50件ほどの相談実績があります。
弁護団員が関与した国への国家賠償請求訴訟(泉南型・石綿工場等の労働者による訴訟)は現在44件の和解が成立し、ご遺族が賠償金を受け取るお手伝いをしてきました。また、国家賠償請求だけでなく、企業に対する損害賠償訴訟、労災申請、石綿救済法に基づく申請、健康管理手帳の取得支援などの弁護団活動をしています。公表可能なものに限定されますが、直近では、令和3年5月に日本インシュレーション株式会社に対する請求認容判決を獲得し、同年10月に株式会社エム・エム・ケイとの間で、同年10月に富士パーライト株式会社との間で和解をしました。
その他、アスベスト・じん肺被害救済を目指す他の団体と共同した取り組みを行い、岐阜県羽島市でニチアス羽島工場の従業員・周辺住民を対象とする相談会を開くなど、ニチアス羽島工場のアスベスト被害問題にも取り組んでいます。
弁護団HP: http://asbestos110.jp/
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
記
受付日時 :令和3年11月20日(土)午前10時~午後4時
電話相談番号:052-331-9054
(金山総合法律事務所の電話番号です)
実施場所 :金山総合法律事務所
〒460-0022 名古屋市中区金山1丁目9番17号 金山スズキビル8階
主催 :アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(代表者弁護士渥美玲子)
概要 :愛知、岐阜、三重の弁護士が無料でアスベスト・じん肺被害の
救済制度・救済方法等に関する電話相談に応じます。
アスベスト疾患やじん肺に詳しい医師も相談に応じます。
秘密厳守。相談は無料です。
以下、アスベスト健康被害についての緊急電話相談会の開催趣旨と、電話相談で確認可能な内容等をお伝えいたします。
1. 実施の趣旨
(1) 令和3年5月17日、最高裁判所は、全国4か所(横浜、東京、京都、大阪)の原告団による建設アスベスト健康被害集団訴訟について統一的な判決を言い渡し、国の責任を認めました。また、最高裁は、民法719条後段の類推適用により、建材の市場占有率(シェア)の大きい建設材料のメーカーの賠償責任についても幅広く認めつつ、高裁でメーカーごとの責任の範囲や賠償額を審理し直すよう命じ、高裁での審理が継続することとなりました。
最高裁は、昭和50年10月1日(特定化学物質障害予防規則改正時)から平成16年10月1日(改正労働安全衛生法施行令施行時)の間、国により呼吸用保護具の使用義務付け等に関する適切な規制がなされていなかったとして、同期間内に屋内の建設現場で働いてアスベストにさらされたことにより健康被害に遭われた方に対し、国の責任を認めています。なお、個人事業主として建設業に携わるいわゆる一人親方も救済の対象となっています。
また、判決を受け、国が原告に最大1300万円の和解金を支払うとの提案が国から行われ、原告団が了承したほか、訴訟外での被害者救済のための基金制度創設も検討されているとの報道もなされています。
(2) そして、上記最高裁判決を受けて、令和3年6月9日に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が成立し、同月16日に公布されました。
同法律においては、いわゆる「建設アスベスト給付金制度」の内容が定められています。その概要は、建設業務に従事していた方のうち、昭和47年10月1日から昭和50年9月30日までの間に石綿の吹付け作業を行っていた方及び昭和50年10月日から平成16年9月30日までの間に一定の屋内作業場で行われた作業(詳細は未定)を行っていた方で、アスベストを原因とする一定の健康被害を受けた方を対象に、国から最大で1300万円が支給されるというものです。給付を受けるための手続きの詳細は未定ですが、希望者から厚生労働大臣に対して給付金の請求を行い、請求に基づく審査によって給付を行うかどうかが判断されることになっています。請求の受付けを開始する日は未定ですが、令和3年6月16日から1年以内とされています。
(3) 上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、多くの被害者が救済の対象となりうる大きな意義のあるものです。令和3年6月25日に厚生労働省が公表した「令和2年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」
図3-1によると、アスベスト疾患による労災認定者のうち建設業の占める割合が54.6%と最も多く(参考URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19199.html )、建設業に従事した方のアスベスト健康被害は多数にのぼっています。これは、建材にアスベストが大量に使われていたこと、国の住宅政策等による建設需要により多くの建設作業従事者が建設作業中にアスベストにさらされたためです。当然、東海3県においても建設アスベストによる被害者が多くおられますが、国や建材メーカーへの損害賠償請求ができることについての周知は不十分な状況です。上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、建設アスベストによる健康被害が広く救済される端緒となるものです。
(4) アスベスト健康被害についての国や企業への損害賠償請求については、情報提供が不十分な状況であり、弁護士による支援が不可欠です。また、現在症状がない方でも健康診断を定期的に受けられる制度があり、その時々で適切な救済手段を検討する必要があります。
そこで、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団は、東海3県にお住まいの方を対象に緊急の電話相談会を開催することといたしました。
当日は、弁護士だけでなくアスベスト疾患に詳しい専門医も電話相談に応じます。
2. アスベスト被害救済等についての説明
アスベストは戦後の高度経済成長期に大量輸入・大量使用され、建材等のみならず、思いもかけない場面で使用されてきました。誰もがどこかでアスベストにばく露された可能性があり、アスベストにばく露された人は膨大な数にのぼります。また、石綿関連疾患の中皮腫は、潜伏期間が30年あるともいわれ、今後も重篤な被害を受けて救済を必要とされる方の数は増加していきます。
救済手段としては、国や建材メーカーへの訴訟提起の他、雇用主への訴訟提起、労災申請(労働者や、特別加入の一人親方)、石綿救済法に基づく救済(アスベスト工場の近隣住民等の労働者以外の方)、健康管理手帳の取得(労働者で健康被害がまだ出ていない方)等があります。
アスベストによる健康被害は、(1)肺がん(石綿肺所見等のあるもの)、(2)中皮腫、(3)びまん性胸膜肥厚、(4)良性石綿胸水、(5)石綿肺です。救済を受けるには、アスベストによる健康被害である事を立証する必要があります。病態は様々なためにアスベスト関連疾患の専門医でなければ判断がつかない微妙なケースもありえ、アスベスト疾患の専門医による支援も不可欠です。当弁護団は専門医の協力をえながら、適切な救済を受けられるよう支援を行います。
3. 報道機関の皆様へのお願い
アスベストの被害を受けているにもかかわらず、補償を受けることができていない労働者の方々が沢山いるはずです。
本年6月にも今回と同様の110番を実施しましたが、報道をご覧になった方々から80件もの相談がありました。健康被害を受けた方が適切な救済を受けるきっかけになりえますので、ぜひ、電話相談会(110番)を広く報道してください。事前の告知記事を掲載いただき、電話相談会当日も、是非、金山総合法律事務所に取材にお越しのうえ報道していただければと思います。
4. アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団
アスベスト・じん肺による健康被害の法的救済を図ることを目的に東海3県を中心とする弁護士によって組織された団体です。
2005年の弁護団結成以来,毎年春と秋に110番(電話相談)活動を実施し、年間20件から50件ほどの相談実績があります。
弁護団員が関与した国への国家賠償請求訴訟(泉南型・石綿工場等の労働者による訴訟)は現在44件の和解が成立し、ご遺族が賠償金を受け取るお手伝いをしてきました。また、国家賠償請求だけでなく、企業に対する損害賠償訴訟、労災申請、石綿救済法に基づく申請、健康管理手帳の取得支援などの弁護団活動をしています。公表可能なものに限定されますが、直近では、令和3年5月に日本インシュレーション株式会社に対する請求認容判決を獲得し、同年10月に株式会社エム・エム・ケイとの間で、同年10月に富士パーライト株式会社との間で和解をしました。
その他、アスベスト・じん肺被害救済を目指す他の団体と共同した取り組みを行い、岐阜県羽島市でニチアス羽島工場の従業員・周辺住民を対象とする相談会を開くなど、ニチアス羽島工場のアスベスト被害問題にも取り組んでいます。
弁護団HP: http://asbestos110.jp/
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