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【写真特集】熱帯化するイタリアの田園
NO MORE LEMONS
Photographs by ALESSANDRO GANDOLFI
シチリア東部のカターニアのマンゴー栽培・販売会社「トロピカル・フルーツ」で収穫されたマンゴー
<シチリアでは今、農家が次々とマンゴー、パパイヤ、アボカドなどの熱帯作物へと栽培を切り替えている>
気候変動は南欧の農村風景にも劇的な変化をもたらしつつある。なかでもイタリアは平均気温の上昇や、ひょう、砂漠化、洪水によって農地が危険にさらされるとともに、栽培作物も変化している。
文豪ゲーテが「レモンの花が咲く地」とイタリア南部シチリア島を形容してから2世紀以上がたち、今日ではマンゴー、パパイヤ、アボカドが目立つ。「数年前にレモン栽培はやめた」と、同地の農協代表のサルバトーレ・マリノは言う。「ひどいカビで駄目になってしまったから、今はアボカドを作っている」
シチリアでは農家が次々と熱帯作物へと栽培を切り替えている。コーヒーやバナナを育てている生産者さえいる。一方、イタリア北部では高地でブドウが育つようになり、オリーブの大規模栽培も行われるようになった。
乾燥、高温気候に適したデュラム小麦の産地も北上しており、少ない水で栽培できるマメ類も干ばつが多い昨今は重宝される。そんな「熱帯イタリア」の今を捉えた。
研究センターの所員(左)と農場主
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