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【写真特集】自然を生きる動物たちの輝く瞬間を捉える
CAPTURING MOTHER NATURE
Photographs by Wildlife Photographer of the Year 2020
<「フォトジャーナリズム」部門>『ショービジネス』クリステン・ルース(アメリカ)
ロシアの氷上サーカスで口輪をはめられ、曲芸をするホッキョクグマ。搾取される動物を撮影してきたルースには、これまでになく衝撃的な場面に思えた。でも観客はサーカスを楽しみ、クマが受ける訓練の苦痛については考えもしない。舞台以外のほとんどの時間は檻にいるだろうことも
<「行動:哺乳類」部門>『母が走れと言うとき』李善元(リー・シャンユアン、中国)
中国のチベット高原にすむマヌルネコの家族。通常は単独行動で、夕暮れや明け方に活動するのでこうした写真は珍しく、撮影に6年かかった。日中の様子を撮るなら子猫が生後数カ月、母猫が育児に熱心な8月か9月がベスト。李は巣の反対側にカメラを設置し、何時間も待った
<「フォトジャーナリスト・ストーリー賞」部門>『奥の部屋の取引』ポール・ヒルトン(イギリス/オーストラリア)
インドネシアのバリ島の鳥市場で売られていた幼いブタオザル。森林破壊のせいで農作物を荒らして撃たれる親猿が増えており、残った子猿はペットや研究用に売られていく。この猿もその1匹なのだろう。ヒルトンは客のふりをして奥に入れてもらい、低速シャッターでこれを撮影。ブタオザルの売買は合法だが、違法取引の多くはこうした部屋で行われる
<「都市の野生生物」部門>『君を見ている』アレックス・バドヤエフ(ロシア/アメリカ)
生物学者で写真家のバドヤエフは、研究対象のロッキアキノドメジロハエトリが自身の山小屋の窓枠に巣を作るという幸運に恵まれた。撮影地はモンタナ州ロッキーマウンテンフロント。子育て中の鳥を邪魔しないよう、小屋にもたれた木の樹皮にカメラを隠してリモート撮影をした。生後12日のひな鳥4羽と母鳥の後ろでバドヤエフが観察記録をつけている
<「水面下」部門>『黄金の瞬間』蔡松达(ツァイ・ソンター、中国)
蔡がフィリピンのアニラオ沖で夜間ダイビング中に撮影したソデイカ(アカイカ)。完璧に左右対称で、ライトに当たって輝く一瞬の姿を捉えている。ソデイカは熱帯から亜熱帯の海に広く生息し、胴長は1メートルにもなる大型のイカだが、写真は幼生で6~7センチと小さい
<「行動:無脊椎動物」部門>『2匹のハチの物語』フランク・デシャンドル(フランス)
隣り合った巣穴に入ろうとするジガバチ(左)とセイボウ。デシャンドルが地元のフランス北部ノルマンディーで、赤外線ビームセンサーと超高速シャッターを使って撮影した。小型(被写体は約6ミリ)で色鮮やかなセイボウが目的だったが、ジガバチも偶然写っていた
<本誌2020年11月10日号掲載>
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