Picture Power

【写真特集】北米コロラド川の水と命が枯れる

NO AGUA, NO VIDA

Photographs by JOHN TROTTER

2019年08月16日(金)15時40分

ラスベガス近郊にあるフーバー・ダムと、そのダム湖であるミード湖。コロラド川の水の使用に関する会合でも、この巨大なダムの在り方が重要なテーマとなっている

<既にコロラド川は、中流での大量の水の使用によって河口付近ではほとんど水が流れない状態にある>

コロラド川はアメリカ南西部からメキシコを通り、カリフォルニア湾に至る大河。その豊かな水は流域の大都市圏の生活や農業を支えてきた。だが11年からこの川の流域で撮影を続けるジョン・トロッターの作品は、ダムや用水路など長年にわたる人為的な変化と、気候変動がもたらした水量の減少を描き出す。

既にコロラド川は、中流での大量の水の使用によって河口付近ではほとんど水が流れない状況にある。さらに08年には専門家チームが、全米最大級のフーバー・ダムのダム湖であるミード湖が21年までに水が流れ出ない「デッド・プール」になる可能性は50%に上ると指摘。そうなれば、下流での水不足の影響は破滅的なものになる。

トロッターは現在、危機が最も差し迫ったアリゾナ州で撮影を行っている。州都フェニックスにいても、危機の深刻さは実感しにくい。ただ状況が改善されなければ水不足はいずれ、現在も人口が増加し続ける大都市の生活を支え切れなくなる。

影響は流域にとどまらない。この川の水で栽培された農作物は全米に出荷されている。生きるために不可欠な水の供給と文明的な生活のバランスについて、人類は真剣に考えるべきときにきているのかもしれない。


ppcolorado02.jpg

アリゾナ州フェニックスにあるパパゴ・ゴルフコース内で結婚式の準備をする男性。プロの大会も開かれる名門コースも、コロラド川の水がなければ維持できない


ppcolorado03.jpg

ネバダ州の乾燥した大地に広がる大都市ラスベガス。「娯楽の都」の水の多くはミード湖から引いてきたもので、電力もフーバー・ダムから供給されている


ppcolorado04.jpg

砂漠地帯にコロラド川から水を引いて造られたアリゾナ州ファウンテン・ヒルズの町。名物は世界トップクラスの高さを誇る噴水(英語でファウンテン)


ppcolorado05.jpg

フェニックスで営業していた飲料水の補給施設。アメリカ南西部の乾燥した地域の町中では、こうした施設がよく見られる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ベネズエラ攻撃、中国の領有権主張に追い風

ワールド

ベネズエラ政府債、5日は10ポイント上昇も JPモ

ワールド

ベトナム、25年は8.02%成長に加速 輸出17%

ビジネス

台湾検察、東京エレク現法を追起訴 TSMC機密取得
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 6
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    スペイン首相、アメリカのベネズエラ攻撃を「国際法…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story