- HOME
- コラム
- パックンのちょっとマジメな話
- 盛り土は気になるけど、北方領土もね!
盛り土は気になるけど、北方領土もね!
最近さらにこの「議論不足状態」に危機感を覚える。なぜなら、国民の間の議論が進んでいないのに、政府の北方領土政策の方針はどんどん進行しているから。その内容が発表されても、それについての議論が少ない。それこそ実際の交渉が始まるまでに取り上げないといけない課題だ。例えば、こんなQ&Aが聞きたい:
Q: 政府が交渉の最低条件として2島の返還を挙げているが、どう思う?
A: いい! 2島からスタートすれば最終的に全土の返還を狙えるはずだ。また、たとえ2島でとどまっても早期解決が望ましい。
それとも:
A: ダメ! 平和条約の条件として北方領土問題の解決を取り下げて「2島でいい」と発表した時点で、4島の返還を諦めたも同然だ。たとえ時間がかかっても、経済制裁や孤立が続く限り、ロシアの立場は弱まる一方なはずだ。無理な早期解決は日本にとって不利。
そして最近のニュースからもう一つ:
Q: 北方領土が返還された場合、ロシア人の居住権を容認する方針を政府が発表している。それでいいのか?
A: だめ! 1万7千人もいるよ! 公的サービスを全部ロシア語で提供することはできないし、全員に日本語を話させるようにもできない。島が返還されても、日本の社会に溶け込めない外国人に事実上支配されていることになる。北方領土からは戦後、日本人が強制退去させられている。 返還後のロシア系住民も同じ扱いをすればいい。
それとも:
A: いい! 地方から大都市の人口移動、いわゆるIターンが騒がれている時代に北方領土に移り住もうと思う日本人の若者はなかなかいないだろう。返還された瞬間から機能していて、生産性のある町があってこそ北方の開発が見込める。ロシアとの関係改善にも、貿易の拡大にもつながるはず。
今更だけど、議論はこんな質疑応答の繰り返しで異なった意見を引き出しぶつけ合わせるもの。そんなに難しいことではない。反対意見を言われたとしても、人格否定されているわけではない。逆に楽しくてためになるものだと思ってほしい。
前からそう提言しているけど、今こそ大事なメッセージだ。北方領土に関して、国民間の議論が急務。ぜひ、「消えた盛り土」ばかりではなく「奪われた領土」についても熱く議論してもらいたい。
*1:日本創生会議発表
トランプを再び米大統領にするのは選挙戦を撤退したはずのケネディ? 2024.09.19
トランプがバイデンに与えてしまった「必殺技」...最高裁判決で無限の権力を手中に? 2024.08.06
討論会惨敗の米民主党がここから「仮病」で大統領選に勝つ方法 2024.07.01
謎のステルス増税「森林税」がやっぱり道理に合わない理由 2024.06.11
新生活の門出にパックンが贈る「ビーカーの尿、バイアグラ、厚切りジェイソン」の教訓 2024.04.04
日本で「外国人を見た目で判断する」ことの弊害が噴出中 2024.03.16