本当のゴールは、第八十八番札所ではなく、和歌山の高… 2016.01.29
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どのお寺にもユニークな特徴があり、弘法大師ゆかりの逸話がある
四国お遍路の全てのお寺ではないが、この浄瑠璃寺をはじめ、いくつかのお寺では英語の説明書きが設置されている箇所があった。そういう説明書きをより充実させると外国人お遍路さんがさらに増えるのではないかと、Fさんは実感をもって話していた。
その後、バスは西から東へと四国を横断し、第七十一番札所の弥谷寺(いやだにじ)へと向かう。
山門に入る前にまず、俳句茶屋という名物茶屋がある。世界中からやって来たお遍路さんがここで一句読んでいくというのが定番コースで、店内には様々な言語で書かれた俳句がびっしりと貼られている。
Fさんももちろん一句読んだ(フランス語で書かれてあり、しかも恥ずかしいからか内容を教えてもらえなかったが......)。
俳句茶屋を過ぎて参道を登っていくと、高さ6メートルにもなる立派な金剛拳菩薩が迎えてくれる。金剛拳菩薩像を過ぎて、さらに百八段の階段を登るとやっと境内に到着だ。
弘法大師が幼少期に学問に励んだ獅子之岩屋という岩窟が境内にあったり、岩に阿弥陀三尊磨崖仏が彫られていたりと、ここも岩屋寺同様、険しい岩山にある山寺である。
Tさん曰く、俳句茶屋を過ぎたあたりから境内までの数百メートルにもなる参道沿いに、昔はびっしりと磨崖仏が彫られていたそうだ。風化などから今ではそのほとんどが消えてしまったようだが、それでも当時の面影を感じる岩窟などが随所に残っており、当時の光景を想像してみるとその荘厳さに圧倒される。
弥谷寺を離れ、4日目の最後に訪れたのは、今夜の宿も兼ねている第七十五番札所の善通寺(ぜんつうじ)。
弘法大師誕生の地ということで、弘法大師三大霊場のひとつにもなっている非常に重要なお寺だ。また、弘法大師が誕生したといわれる西院と、もともと創建されていた東院のふたつで構成される大規模なお寺でもある。
今までのお寺とはひと回りもふた回りも違う規模の大きさに、Fさんもひたすら境内をカメラに収めていた。
善通寺のいろは会館という宿坊では、観光客であろうと取材の記者であろうと関係なく、全員が精進料理を食べることになっている。精進料理と聞いて質素な料理を想像していたが、全くそんなことはなく、ボリュームも味も抜群の美味しい料理だった。
また、温泉に入ることもできるが、宿坊とはあくまでお遍路さんや修行のための施設なので、いわゆる温泉旅館のようなテレビや卓球台などは一切ない。その点は誤解なきよう。
早めの夕食を取った後は、善通寺を静寂と星空が包み込んでいく。
翌日は早朝5時半から朝のお勤めが始まるため、宿泊者もそれに合わせて早めに就寝するのがならわしだ。朝のお勤めの様子に関しては、写真で少しだけ様子を紹介し、詳しい内容はまた次回にお届けしたい。
※[DAY 5-6] 本当のゴールは、第八十八番札所ではなく、和歌山の高野山だった はこちら
[四国お遍路の詳しい情報はこちら]
●巡るめく四国 四国地区公式観光サイト(英語もあり)
●四国八十八ヶ所霊場会 公式ホームページ