今、本当に必要な経済政策を提案する
ここでも再度、社会の問題が出てくる。
実は、日本は、世界的に、少なくともアジアの中では、もっとも教育に関心のない社会である。受験戦争は低年齢化しているが、これは楽な教育を受けるための手段だ。高校生で苦労しないようにと、要は楽に学校を乗り切り、良い学歴を身につければよい、という社会の教育の中身への無関心がある。これは一部では、改善の動きも見られるが、まだまだ少数派だ。
それは、伝統的に、この70年、教育を軽視してしまう社会になったことが根本にある。
アジアのほかの国の受験戦争は酷いほど激しいし、大学、大学院への進学もアジアの親たちは非常に熱心だ。
この差は決定的だ。中国、韓国に、人材の質でも抜かれる日は遠くない。いやすでに抜かれていると思う。
日本が経済成長するためには、人材が必要だ。科学技術の発展も要は人だ。そして、そのために、大学などの研究機関にただ金をつぎ込むのは間違っており、時間をかけて人を育てることが必要だ。そして、より有効なのは、より低年齢での幅広い層への基礎教育である。
これが、日本の学校関係への投資の第二の誤り、最大の誤りだ。
手間と金は初等教育に重点をおくべきだ。幼児教育へも将来は広げるべきだ。公的教育にできることは、基礎力、基礎的な思考力、柔軟性、多様な発想をもたらす基礎的な人格形成が最大、唯一のことであり、社会において最重要なことだ。
経済政策の金、エネルギーをここに集中的に投入すべきだ。
子供は日本の隅々で育つのがいい
そして、最後に、国の基礎力を挙げるための教育は多様性、深みを社会にもたらすことであり、そのためには、東京や大都市での教育よりも、様々な地域で育つことが必要で、それぞれの地域で、教育をすることが重要だ。地方創生ではなく、現在の全国の各地域で、子供を地域社会で育てることが、日本社会の長期的な多様性の維持、創造性の発揮に大きく貢献、いや必須のはずだ。そのために、子育て、学校教育は東京などの大都市よりも地方の環境(自然だけでなく、教育者の質という面で)が優れているという状況を生み出すための国家的な政策が必要だ。教育中心の地方創生(言葉は嫌いだが、一般に言われている)政策が必要なのだ。これは、また別の機会に議論したい。
なぜ1人10万円で揉めているのか 2021.12.14
大暴落の足音 2021.12.02
いま必要な政策は何もしないこと 2021.11.11
経済政策は一切いらない 2021.11.10
矢野財務次官が日本を救った 2021.11.01
今、本当に必要な経済政策を提案する 2021.10.18
すべての経済政策が間違っている 2021.10.14