日本の警備会社が生んだ「セキュリティの概念」を変えるサービス
写真提供:セコム
<半世紀以上前に、日本初の警備保障会社として誕生したセコム。事業展開するアジア諸国やセキュリティ先進国のイギリスでも高く評価されているのは、欧米企業にはなかった「オンラインで24時間監視し、警備員が駆けつける」というサービスだった> (1978年に台湾で現地法人を設立、1993年には台湾株式市場に上場した)
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6月末に発表された平成27年度国勢調査の抽出速報集計によると、日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は26.7%と、初めて25%を超えた。4人に1人が高齢者であり、世界で最も高い水準だ。2025年には30%を超えると予測されており、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えている日本では、それに対応したさまざまなサービスがすでに出現している。
安否確認や緊急通報といった"見守りサービス"もそのひとつだ。警備サービス業のセコムでは、高齢者にペンダント型の通報機を常に身に着けてもらい、行動を見守るというサービスを開発。このサービスは、同社が「ホーム・セキュリティ」のオプションとして提供しているものだ。
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センサーなどの機器とコントロールセンターを通信回線でつないで24時間監視し、何か問題が発生すれば警備員が駆けつけるというアイデアは、もともとはセコムが考え出したもの。これに端を発し、同社は1966年、日本で初めて「オンライン・セキュリティシステム」を確立・開始した。
現在、同社のセキュリティ事業は、世界12カ国に展開している(セキュリティ以外の事業を含めたグループ全体では21カ国)。1978年に台湾、1981年に韓国へ進出し、今では中国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、ミャンマーのアジア圏のほか、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでも事業を行っている。
「創業者である飯田亮は、『いつでも、どこでも、誰にでも安全を提供したい』という理念を早くから掲げていました」と語るのは、コーポレート広報部部長・理事の安田稔さん。"どこでも"という言葉は、創業当初から海外への進出も考えていたことを意味しているという。
欧米企業は機器の販売を重要視している
セコムは1962年、日本で初めての警備保障会社として創業。1964年の東京オリンピックで選手村の警備を単独で担ったことで飛躍のきっかけをつかんだ。しかし、現場に警備員が常駐する警備では労働集約型のビジネスになってしまう。そのことがオンライン・セキュリティシステムの開発を促すことになった。
1966年にオンライン・セキュリティシステムを事業化し、1981年には法人に加えて、一般家庭のマーケットに進出。日本で初めてホーム・セキュリティのサービスを提供し始めた。現在、国内での契約数は企業が100万件を、家庭では114万件をそれぞれ超えている(2016年3月時点)。海外の契約数では、企業と家庭を合わせて約76万件を達成しているという。