コラム

ロシアのプーチン大統領は20万人の追加招集で「春の攻勢」準備? 「平和を望むなら戦争に備えよ」NATO高官が警告

2024年01月23日(火)18時23分

10月、ロシアはNATOの攻撃が差し迫っているというデタラメの口実で軍隊と中距離ミサイルを飛び地のカリーニングラードに移動させる。クレムリンの狙いはベラルーシとカリーニングラード間のスヴァウキ・ギャップだ。米大統領選で生じる空白を突いて12月にスヴァウキ・ギャップで「国境紛争」と「多数の死者を伴う暴動」を引き起こす。

来年 1 月の NATO特別会合でポーランドとバルト三国がロシアからの脅威増大を報告。ロシアは 3 月にベラルーシに追加部隊を移動させ、駐留規模は7万人以上に膨れ上がる。NATOは5月にスヴァウキ・ギャップへのロシアの攻撃を抑止するための措置を決定し、ドイツ軍の3万人を含む計30万人を配備するというシナリオだ。

「スウェーデンで戦争が起こる恐れがある」

伝統の中立政策を捨て、NATO加盟に舵を切ったスウェーデンのカール・オスカー・ボーリン民間防衛相は7日、「国民と国防」年次全国会議で「約210年間、国民にとって平和は不動のものだという考えはごく身近にある。しかし、この結論に安住することは危険だ」と演説した。スウェーデンにとって最後の戦争は1814年、隣国ノルウェーとの間で起きた。

「赤裸々に言わせてもらおう。スウェーデンで戦争が起こる恐れがある。恐怖に訴えることが第一の目的ではない。現状認識に訴えることが目的だ。もし戦争が起こったら、あなたはどうする。プーチンは2014年にすべてのウクライナ人を目覚めさせたことを理解せずに、22年2月に本格侵攻し、ウクライナ社会全体の統合された力に直面した」

ボーリン民間防衛相は「社会の復元力には現状認識が必要だ」と強調する。時間が最も貴重な資源だ。防災当局の幹部なら、戦争組織を構築し、どの活動を続けるのか決めなければならない。身を守るための安全や代替指揮地へのアクセスは確保されているのか。自主的な防衛組織と協定を結んでいるのか。今すぐに行動を起こすよう同民間防衛相は呼びかける。

地方自治体の委員なら、戦争組織、避難所、緊急給水計画、医療・福祉施設用の暖房・電気の供給を確保する必要がある。従業員なら職場の戦争組織における役割を雇用主に確認する必要がある。個人も各家庭で備えなければならない。「世界は第二次大戦後かつてないほど大きなリスクに直面している」とボーリン民間防衛相は語った。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=

ビジネス

アングル:中国「二線都市」が高級ブランドの最前線に

ワールド

焦点:トランプ氏のミサイル防衛構想、1年経ても進展
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 5
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 6
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story