コラム

「日本の技術は最前線にいる」と専門家...CO2を「回収・貯留・有効利用」するCCUS技術に環境団体は反発も

2023年12月16日(土)14時39分

「それは必要なことであり、私たちはそれに取り掛かる必要がある。なぜ炭素回収のコストが高止まりしているのか、なぜ導入がまだかなり限定的なのか。これまで炭素回収は常に国民、納税者の負担、補助金によって賄われてきた。ある技術から利益を得る人々がその費用を支払うべきなのだ」

「二酸化炭素を処理するために炭素回収・貯留を利用することで利益を得るのは化石燃料を使用し、生産し、販売する人々だ。二酸化炭素の処理コストを化石燃料のバリューチェーンに組み込む必要がある。そうすることで二酸化炭素の排出量を減らすことができる」

「二酸化炭素の処理コストを考慮すれば化石燃料の現在の利用の多くが経済的に意味をなさないことがすぐに分かる。そうなれば化石燃料の使用量は減り、自然にネットゼロの未来へと進んでいく」

「CCSへの投資は税金ではなく、産業界がそのコストを顧客に転嫁し、化石燃料のバリューチェーンを通じてコストを分配すべきだ。化石燃料産業に補助金を出すのは経済的に良くない。CCSにお金を払うことは一種の補助金だ。化石燃料を売りたければ、その燃料から発生する二酸化炭素を処理しなければならないという単純な許認可制に移行する必要がある」

「化石燃料がより高価なものになることを強調することは非常に重要だが、明日やる必要はない。今後25年間は化石燃料がより高価になることを予測し、国民は化石燃料への依存度を減らすために使用量を減らしたり、電気自動車に切り替えたり、その他できることをすべて考える必要がある」

「今世紀半ばまでには、地球温暖化の原因となる製品の販売、生産、購入、使用は一切許されないという原則を確立する必要がある。その原則が確立されればネットゼロの未来はごく自然に実現する」

──あなたが率いるオックスフォード大学のチームが唱えるカーボン・テイクバック・オブリゲーションについて教えてください。

「基本的に拡大生産者責任の原則を化石燃料産業に適用するものだ。カーボン・テイクバック制度では二酸化炭素を生産したり輸入したりする人は誰でも、つまり化石燃料を生産したり輸入したりする人は誰でも、その燃料が使用された時に発生する二酸化炭素の一定割合が安全かつ永久的に地下に廃棄されたことを示す必要がある」

「小さい割合から始める。最初は1%程度の低いコストから始め、徐々に上げていく。30年代には10%、40年代初頭には50%にする必要がある」

「引き取り義務によって化石燃料からの継続的な排出に対処するのであれば、業界は最も安価な方法を見つけるインセンティブを持つ。経済学は最も効率的な結果を見出すために協力し合う」

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン、レバノン攻撃継続なら停戦離脱も トランプ氏

ワールド

ホルムズ通過の安全確保に懸念、大手海運各社 再開に

ワールド

トランプ氏、体制変更後のイランと制裁緩和を協議 武

ビジネス

米デルタ航空、燃料急騰が業績圧迫 業界再編の可能性
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 5
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 6
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    アメリカとイランが2週間の停戦で合意...ホルムズ海…
  • 9
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 10
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story