習近平「独裁」で、中国経済「成長の時代」は終焉へ...経済より重視するものとは?
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TINGSHU WANGーREUTERS
<イデオロギー色の強い習近平の派閥が党の全権を掌握。高度成長を支えた資本主義的な経済運営の終わりは、日本にも大きく影響する>
中国最大の政治イベントである5年に1度の中国共産党大会が閉幕し、異例とされる3期目の習近平(シー・チンピン)新体制がスタートした。政権が発足した2012年当初、指導部は習氏を中心とした派閥、胡錦濤前総書記を筆頭とする中国共産主義青年団(共青団)出身の派閥、そして江沢民元総書記を中心とした上海閥という3つの派閥で構成されていた。
だが、習氏はトップに就任するやいなや、江氏の影響力を排除し、その後は、習氏の派閥と、胡氏の後継者で首相を務める李克強(リー・コーチアン)氏の派閥との間で激しい権力闘争を展開してきた。
2期目となる5年前の党大会では、新たに選出された常務委員7人のうち、栗戦書(リー・チャンシュー)氏、王滬寧(ワン・フーニン)氏、趙楽際(チャオ・ローチー)氏という習氏に近い人物が3人加わり、もう1人の韓正(カン・チョン)氏が中立的な立場だったことから、李氏の派閥は汪洋(ワン・ヤン)氏だけになってしまった。
今回の党大会では、胡錦濤氏が長年、後継者として育成してきた胡春華(フー・チュンホア)副首相の常務委員入りが注目されていたものの、結局、胡氏の名前はなく、メンバーの全てが習氏に近い人物で固められた。
首相(国務院総理)就任が確実視される李強(リー・チアン)氏は、習氏の浙江省時代の部下であり、腹心の一人とされる。序列3位で留任となった趙楽際氏も、習氏が進めてきた反腐敗闘争を仕切ってきた人物であり、習氏に極めて近い。残り4人の常務委員も習氏の側近や近い人物で占められており、習氏による独裁体制が強化された形だ。
文革への逆行ほどでなくとも強い懸念が
習氏はこれまでの政権運営を通じ、江氏を後ろ盾とする国有企業を中心した経済利権を持つグループと、胡氏をリーダーとする党の実務官僚グループを排除してきたことになる。今回の党大会の結果としてイデオロギー色の強い習氏の派閥がほぼ全ての権力を掌握することとなり、一部の論者は、毛沢東時代への逆行を危惧している。
当時とは時代背景が異なるため、一説では2000万人の死者を出したとされる文化大革命のような事態になるとは考えにくい。だが、習氏が共同富裕という政治色の強いスローガンを打ち出していることを考えれば、統制的な経済運営が行われる可能性はそれなりに高いだろう。
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