会社への不満、キャリアへの絶望...「最低限の仕事しか」しない社員が急増した理由

JOHN SMITHーVIEWPRESS/GETTY IMAGES
<仕事に意欲を持てず、あえて最低限の仕事しかこなそうとしない「静かな退職者」という日米に共通する問題の根は深い>
アメリカの労働者の約半数が、会社への帰属意識を低下させているという調査結果が話題になっている。コロナ危機をきっかけに仕事に対する価値観が変わった可能性が指摘されているが、原因はそれだけにとどまらない。
米ギャラップ社が、約1万5000人のアメリカ人労働者を対象に調査を行ったところ、仕事に熱意を持つ人の割合は32%と前回調査より低下し、7年ぶりの低水準となった。一方、会社に不満を持つ人の割合は高まっており、約半数が仕事に対して意欲を持てず、最低限の仕事しかこなしていない状態だという。同社ではこうした労働者を「静かな退職者」と呼んでいる。
とりわけ35歳以下の若手社員における帰属意識の落ち込みが顕著となっており、世代間ギャップが企業活動に大きな影響を及ぼしている。同社ではコロナ危機によって労働に対する価値観が変化した可能性について指摘しているが、原因はもっと複雑で構造的である可能性が高い。
1990年代以降、IT化やグローバリゼーションが進展し、各国は目覚ましい成長を実現した。しかし、リーマン・ショック以降、生産性の伸びが鈍化しており、成長の限界が指摘され始めている。加えて、富めるものがさらに多くの富を獲得するなど格差が拡大しており、一向に解消する気配が見えない。
こうした理由から多くの労働者が自身のキャリア構築に限界を感じており、特に労働条件の悪い職場での人材確保が困難になっている。
労働者による社会への抵抗運動か
アメリカではコロナからの景気回復によって各社が積極的に求人を行っているが、全く人が集まらず、労働参加率は低いまま推移している。時給は跳ね上がる一方であり、インフレに拍車が掛かっている状況だ。これは今までに見られなかった現象であり、ギャラップの調査結果と重ね合わせると、労働者による社会への抵抗運動にも思えてくる。
こうした変化が一時的なものではなく、成長の限界に起因しているのだとすると事態は厄介であり、根本的な解決策は2つしかない。
1つは80年代のアメリカが行ったような経済の再構築である。同国は70年代、成長の鈍化と高インフレ(スタグフレーション)に悩まされ、最終的に政策金利を20%まで引き上げるという荒療治で事態を鎮静させた。80年代に入りレーガン政権は大胆な競争政策を実施。多大な犠牲を払ってアメリカ経済を成長軌道に戻したが、この過程において多くの企業が没落し、労働者も転職や学び直しを余儀なくされた。
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
フジテレビ「最大の経営危機」、本番はむしろこれからか...市場は「今後」をどう見ている? 2025.02.05
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
コンタクトセンターマネジャー・スーパーバイザー 外資企業向け/英語活用
トランス・コスモス株式会社~プライム市場上場企業~
- 東京都
- 年収300万円~600万円
- 正社員
-
「セールスコンサルタント」日系/外資TOP企業の人事/経営層を相手に採用戦略を提案/人材サービス「紹介/教育/研修」
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員