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時代に負けた独立と自由のインディー紙
インディーを立ち上げたのが、不満を抱いてテレグラフを飛びだしてきた3人のベテラン記者たちだったことも、偶然ではないだろう。
インディーは長めの記事も掲載してくれた。従来型の新聞だったら250語程度で単なる事実を伝えるだけ、というような国際ニュースのネタでも、インディーなら場合によっては600語を越える長い記事で掲載してくれる。だからこそ海外特派員は、ニュースの背景と意味を浮き彫りにすることができた。それは、面白くてためになる記事になった。
僕が日本で暮らしていたころは、インディペンデントから選ばれた記事がデイリー・ヨミウリの日曜版に掲載されていた。僕はランチを取りながらそれを読むのを楽しみにしていた。
だがインディペンデントは資金難によって苦境に立たされた。フリー記者の原稿料は安く、支払いは遅れがちだった。従業員は削減され、経費は切り詰められた。そしてついに身売りせざるをえなくなった。1998年にアンソニー・オライリーが株式の過半数を獲得して経営権を握り、2010年にはロシアの富豪アレクサンドル・レベジェフが同紙を買収した。そしてインディーは、理想主義的アウトサイダーとしてのイメージを失った。
そして今、インディペンデント「紙」は消えようとしている。紙の新聞を廃止し、デジタル版のみ発行を続けることが、2月に発表された。イギリスのメディアの多様性が失われるのは残念だ。僕にとっても、多くのジャーナリストたちにとっても悲しいことだ。だがこの流れは避けられないものだったと見る人は多い。89年のピーク時には40万部を数えた発行部数が、紙発行の停止が決定された時点では6万部を切っていた。
インディーは比較的短いその生涯でジャーナリズムに大きな影響を与え、特殊な立ち位置ゆえに数々の問題に苦しんだ。同時に、世の中の変化に伴うもっと普遍的な問題にも直面した――インターネットが台頭し、イギリス人が報道記事を読むのにほんのわずかな金を出すのさえ渋るようになったことだ。
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