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ディズニー恐るべし、『アラジンと魔法のランプ』は本当は中東じゃないのに
タイム誌の報道後、トルドー首相はすぐに謝罪、「そのような(扮装を)すべきではなかった。もっとよく理解すべきであったが、(当時の自分は)そうではなかった。まことに申し訳ない」と述べ、写真が人種差別だと考えるかとの質問にも「そのとおり。当時はそれが人種差別だとは考えなかったが、今はもっときちんと理解している」と語り、全面的に非を認めている。
トルドー率いる自由党は2015年の選挙では圧勝したが、今回の選挙では、スキャンダルもあり、大苦戦、かろうじて第1党の座を死守したものの、過半数を割り込んでしまった。
2019年の実写版映画『アラジン』でもいろいろ問題になっていた
さて、黒塗り事件におけるトルドーの扮装だが、彼自身、パーティーがアラビアンナイトをテーマにしたもので、自分はアラジンの扮装をして、メーキャップをしたと証言している。
アラビアンナイトはもちろんアラビア語の古典文学『千夜一夜物語』のことであり、アラジンとはそのなかでも一番有名な物語の一つ『アラジンと魔法のランプ』の主人公である。ただ、案ずるに、バカでっかいターバンの扮装は、ディズニーのアニメ『アラジン』の影響を受けたのであろう。
この名作アニメが公開されたのが1992年、今年2019年には実写版も公開されている。東京ディズニーシーのアトラクションでもフィーチャーされているので、日本でもよく知られているはずだ。トルドーの扮装をみて、あーアレねとピンときたかたも多いのではないだろうか。
実写版映画の宣伝には「貧しくも清らかな心を持ち、人生を変えたいと願っている青年アラジンが巡り合ったのは、王宮の外の世界での自由を求める王女ジャスミンと、"3つの願い"を叶えることができる"ランプの魔人"ジーニー」とある。
トルドーのターバンは、アラジンがジーニーの魔法で「アリ・アバブア王子」に変身した姿をモチーフにしたものと考えられる。ただし、アニメのアラジンもアリ・アバブア王子もたしかに浅黒い肌で表現されていたが、トルドーの扮装ほど黒くない。明らかに誇張しすぎであろう。
実は、アラジンの実写版でも似たような事件が起きていた。中東が舞台ということで、アラジン役のエジプト系カナダ人のメナ・マスードをはじめ、主要キャストには中東と関わりのある俳優が選ばれていた。だが、ジャスミン王女役のナオミ・スコットは中東とは無関係であり、これがホワイトウォッシュ(白人化)ではないかと叩かれたのだ。ただ、スコットは半分インド人の英国人で、純粋な白人ではない。とはいえ、これがまたインド系と中東系をいっしょくたにしていると批判の対象となった。
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