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米国の拡大抑止と核なき世界は「矛盾せず」=林官房長官

2024年07月29日(月)12時04分

 7月29日、林芳正官房長官(写真)は午前の記者会見で、週末に日米間で行われた「拡大抑止」に関する初の閣僚会合に関連し、日本が安全保障を確保するためには核を含む米国の拡大抑止が不可欠としつつ、同時に核兵器のない世界の実現に取り組むことは「決して矛盾することではない」との認識を示した。写真は都内で19日撮影(2024 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Shiho Tanaka

[東京 29日 ロイター] - 林芳正官房長官は29日午前の記者会見で、週末に日米間で行われた「拡大抑止」に関する初の閣僚会合に関連し、日本が安全保障を確保するためには核を含む米国の拡大抑止が不可欠としつつ、同時に核兵器のない世界の実現に取り組むことは「決して矛盾することではない」との認識を示した。

日米両政府は28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)と、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に関する初の閣僚会合を開催した。

林官房長官は「現実に核兵器などの日本に対する安全保障上の脅威が存在する中で、こうした脅威に対応するためには、米国が提供する核を含む拡大抑止が不可欠」と指摘。その上で「米国の拡大抑止を含めて国の安全保障を確保しつつ、同時に、現実を核兵器のない世界という理想に近づけていくべく取り組むということは、決して矛盾することではない」と述べた。

今後とも、日米拡大抑止協議や今回の閣僚会合のようなハイレベルでの協議を通じて、拡大抑止の強化に向けた取り組みを進めたいとの認識を示した。

日米2プラス2では、自衛隊と在日米軍の指揮・統制枠組み向上に向け、在日米軍を「統合軍司令部」として再構成する考えが示された。

官房長官会見では、自衛隊が米軍と一体化することへの懸念や、有事の際に米軍の指揮下に入ることへの可能性についての質問が出た。林官房長官は「自衛隊による全ての活動は我が国の主体的な判断の下で日本国憲法、国内法令等に従って行われること、また自衛隊および米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動することに何ら変わりはない」とし、日米間の共通の認識になっていると説明した。

ロイター
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