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台湾総統が「戦時の逃亡準備」、1月選挙まで中国報道続く=調査

2024年04月01日(月)15時29分

 台湾の蔡英文総統(写真中央)は、中国と戦争が勃発すれば米軍機で逃亡するつもりで、軍事演習はそのリハーサル───こうした根も葉もない話が中国政府系メディアによって台湾にもたらされていたことが、NGO(非政府組織)台湾情報環境研究センター(IORG)の調査で明らかになった。写真は2月、新竹市の軍基地で撮影(2024年 ロイター/Ann Wang)

Yimou Lee James Pomfret

[台北 1日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統は、中国と戦争が勃発すれば米軍機で逃亡するつもりで、軍事演習はそのリハーサル───こうした根も葉もない話が中国政府系メディアによって台湾にもたらされていたことが、NGO(非政府組織)台湾情報環境研究センター(IORG)の調査で明らかになった。

ロイターが委託した調査では、2021年から今年1月の台湾総統選までの間に、台湾の年次軍事演習「漢光」を含む訓練を巡り、台湾指導部による逃亡のためのリハーサルと断定する400本以上の記事を特定。IORGは、中国政府が複数のメディアを通じて台湾与党、民主進歩党(民進党)の弱体化を狙ったようだと分析した。

IORGは21年4月から24年1月13日までに公開された記事や動画をデータ処理技術を使って分析し、出どころや関連キーワードを特定。

民進党指導部に関する「戦争挑発」と「戦争勃発すれば逃走」という悪いイメージを与える記事は台湾で大きな話題となり、一部のメディアや野党政治家が与党批判の根拠にした。

軍事演習が台湾指導部逃走の準備と報じた439件の記事の93%強は北京と福建省が本拠地の政府系メディアや、台湾情報当局が中国共産党と関連があるとする香港メディアが掲載したものだったという。

共産党が支援する福建日報は台湾に特化したニュースポータルを運営しており、これら記事の約20%を報じた。

北京に本拠を置く人民日報や環球時報などのメディア発の記事は海外版を含め110本に上り、香港発は169本、福建省の省都・福州発は130本だった。

台湾当局は繰り返し、こういった報道を否定している。

中国国務院(政府)台湾事務弁公室はロイターの問い合わせに対し、IORGの調査は「虚偽で悪意のある」主張が含まれていると反論した。

中国による干渉の試みにもかかわらず、総統選では民進党の頼清徳副総裁が勝利し、5月20日に就任する見通し。

ロイター
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