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ローマ教皇、ロシア皇帝に好意的言及 ウクライナが批判
8月28日、ローマ教皇がロシアのサンクトペテルブルクに集った青年らへのビデオ講話で、ピョートル大帝のような過去の皇帝の継承者であることを忘れないよう呼びかけたことで批判を受けている。9日撮影のバチカンメディア提供写真(2023年 ロイター)
[バチカン市 28日 ロイター] - ローマ教皇がロシアのサンクトペテルブルクに集った青年らへのビデオ講話で、ピョートル大帝のような過去の皇帝の継承者であることを忘れないよう呼びかけたことで批判を受けている。プーチン大統領はウクライナ侵攻を正当化するための例としてピョートル大帝などを挙げている。
教皇は25日に行ったスペイン語の講話で即興でイタリア語に切り替え、「あなた方が偉大なるロシアの成人や王、(18世紀の皇帝)ピョートル大帝やエカテリーナ2世の偉大なロシア帝国の継承者であることを忘れないように」などと呼びかけた。
バチカンは26日に講話原稿を公表したが、最後の即興部分は含まれておらず、宗教関連サイトでこの発言の模様を映した動画が公開された。
ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は「これは母なるロシア救済の必要性や霊的連帯など、ロシア政府が多くのウクライナ人殺害と市町村破壊の正当化の根拠としている帝国主義者のプロパガンダと正確に一致した発言だ。意識的かどうかにかかわらず、ロシアの慢性的な攻撃性につながっている大国願望をローマ教皇が公言したことは深く憂慮される」とフェイスブックに投稿した。
ウクライナ東邦カトリック教会の大司教も声明で、教皇の発言は「大いなる苦しみと心労」をもたらしたと指摘。「攻撃的な国々の新植民地主義的野望を触発する」恐れがあるとして、バチカンに説明を求めた。