ニュース速報

ワールド

バイデン氏息子が罪認める、税金未納で司法取引 大統領選に影響も

2023年06月21日(水)16時56分

 バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(53)が税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追され、司法取引に応じて税金未納に関する2件の罪を認めた。銃所持についても条件付きで起訴を猶予する手続きで当局と合意した。裁判所の文書から20日明らかになった。2月撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ワシントン 20日 ロイター] - バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(53)が税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追され、司法取引に応じて税金未納に関する2件の罪を認めた。銃所持についても条件付きで起訴を猶予する手続きで当局と合意した。裁判所の文書から20日明らかになった。

ハンター氏を巡っては、トランプ前大統領や共和党が長らく、ウクライナや中国で不正取引を行っていたと主張していた。2024年大統領選で再選を目指すバイデン大統領にとって痛手となる可能性がある。

裁判所に提出された文書によると、ハンター氏は17年と18年の課税所得が150万ドルを超えていたにもかかわらず、10万ドル強の税金を支払わなかった。

司法省によると、18年10月の短い期間に薬物依存を申告せずに銃を所持していた容疑でも訴追されたが、条件付きで起訴を猶予する手続きで検察と合意した。

ホワイトハウスのサムズ報道官は声明で「大統領とファーストレディ(大統領夫人)は息子を愛し、人生の立て直しを続けるハンター氏を応援している」とし、それ以上のコメントは控えた。

機密文書持ち出しなどで最近起訴されたトランプ氏はハンター氏の司法取引を批判。自身のソーシャルメディア上で「腐敗したバイデン司法省は単なる『交通違反切符』を与えることで、数百年にわたる刑事責任を清算した。われわれのシステムは破綻している!」と述べた。

テネシー大学で大統領史を専門とするアーロン・クロフォード氏によると、現職大統領の子どもが訴追されるのは今回が初めてという。

ハンター氏は20年12月、デラウェア州連邦地検が自身の税務について捜査していると明らかにしていた。捜査はトランプ氏が大統領時代に指名した同地検のデービッド・ワイス検察官が指揮し、報道によると18年には始まっていた。

関係筋によると、当初は税務関連の違反のほか、中国をはじめ海外との商取引における資金洗浄法違反の可能性に焦点が当てられた。

ハンター氏の弁護士は声明で、5年に及んだ捜査が終了したと理解していると述べた。

ワイス氏は捜査は継続していると表明した。

下院共和党によるバイデン一族の調査を主導してきた下院監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党)は、ハンター氏が「軽い処罰で逃げ切ろうとしている」と批判。同委が調査の手を緩めることはないとした。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドCPI、8月は前年比+3.65%に加速 中銀

ビジネス

ベトナムEVビンファストの一部車両、米当局が予備調

ワールド

米メキシコ湾の製油所、ハリケーンの被害調査開始、輸

ビジネス

スイスの銀行、経済制裁を最大の地政学リスクと認識=
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...いつしか「懐かしいだけの、美しい記憶の中の存在」に
  • 4
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    公的調査では見えてこない、子どもの不登校の本当の…
  • 8
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 9
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 10
    「とても健康で幸せそう」茶色いシミや黄ばみが酷評…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 5
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 10
    メーガン妃が自身の国際的影響力について語る...「単…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中