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ロシア、ノルドストリーム爆破の真相解明要求
ロシアのペスコフ大統領報道官は9日、海底パイプライン「ノルドストリーム」で昨年起きた爆発について、米調査報道記者のシーモア・ハーシュ氏がブログで米政府の関与を示唆したことを受け、真相を解明した上で責任者を罰するべきと述べた。提供画像(2023年 ロイター)
[モスクワ 9日 ロイター] - ロシアのペスコフ大統領報道官は9日、海底パイプライン「ノルドストリーム」で昨年起きた爆発について、米調査報道記者のシーモア・ハーシュ氏がブログで米政府の関与を示唆したことを受け、真相を解明した上で責任者を罰するべきと述べた。
ロシア産天然ガスを欧州に輸出するノルドストリームで昨年9月26日に発生した爆発について、ピューリッツァー賞受賞記者のハーシュ氏はブログで、匿名の情報筋の話として、バイデン米大統領の命令を受け、米海軍のダイバーが爆発物を使用してパイプラインを破壊したと伝えた。
ロイターはこの情報を確認できていない。米ホワイトハウスは「全くの虚偽」としている。
これについてペスコフ報道官は記者団に対し、ブログを第一の情報源として扱うことには注意が必要としながらも、「分析の深さが際立っている」とし、これを看過するのは「不公平」と指摘。ハーシュ氏のブログ記事は注目されるべきで、西側の報道機関が十分に報じていないことに驚いていると述べた。
その上で「誰がこの破壊行為を行ったのか、真相を解明する必要がある」と指摘。「国際的な重要インフラに対する攻撃について開かれた国際的な調査が必要」とし、責任の所在を明らかにし、罰する必要があると述べた。
ハーシュ氏は「米国はいかにしてノルドストリーム・パイプラインを破壊したか」と題したブログ記事で、2021年に米国の最高レベルで破壊計画が策定されたと指摘。中央情報局(CIA)の作業部会がパイプラインに爆発物を設置する秘密作戦を作成したとした。
このブログが掲載されて以来、ロシア当局者は相次いで回答を要求。ボロジン下院議長は同ブログ記事を「バイデン大統領とその共犯者」を裁判にかけるための国際調査の基礎にするべきとし、米国は「テロ攻撃の被害を受けた国に補償金」を支払う必要があると述べた。
タス通信はロシア外務省関係者の話として、パイプライン爆破に米国が関与していたとの報道を受け、ロシアが政治的、もしくは法的措置を取る可能性があると報じている。