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南アジアの最優先課題はインフレ抑制=インド中銀総裁

1月6日、インド準備銀行(中央銀行)のダス総裁は、IMF主催の会合で、南アジア諸国の最優先課題はインフレ抑制だと述べた。写真はムンバイで昨年4月撮影(2023年 ロイター/Francis Mascarenhas)
[ニューデリー 6日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)のダス総裁は6日、国際通貨基金(IMF)主催の会合で、南アジア諸国の最優先課題はインフレ抑制だと述べた。物価圧力が高止まりすれば成長・投資のリスクが高まる恐れがあると指摘した。
ダス総裁は、新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ戦争で南アジアでの政策上の問題が深刻化したと指摘。
「最近のコモディティー価格軟化やサプライチェーンの目詰まり緩和は今後、インフレ押し下げに寄与するとみられるが、インフレが高止まりすれば成長・投資の見通しへのリスクは高まる可能性がある」とし、「物価安定を最優先にすることが、南アジア地域での最適な政策の選択だ」と述べた。
南アジアは、輸入化石燃料に大きく依存しているため燃料インフレに脆弱で、食料価格も2022年第1・四半期から第3・四半期の間に平均20%以上の上昇になったと指摘。「ディスインフレを成功させるために、対象を絞った供給側の介入、財政、通商、政策、行政措置を伴う信頼できる金融政策対応が重要な手段となった」と述べた。
このほか、地域の重点分野として、対外債務の脆弱性是正、生産性の高いセクターへの重点移行、エネルギー安全保障の強化、グリーン経済の取り組みでの協力、観光振興を挙げた。
会合では、アントワネット・セイエIMF副専務理事が、インドは世界経済で相対的に「明るいスポット」と指摘する一方で、サービス輸出の既存の強さを活かし、製造業の輸出に波及させる必要があると指摘した。
ダス総裁は、南アジア域内貿易は潜在的規模の2割にとどまっているとし、それを拡大させればパンデミックの余波を受けている各国の成長・雇用の機会を促進できると述べた。