ニュース速報

ワールド

ツツ元大主教死去、南アの人種隔離撤廃に尽力 84年ノーベル平和賞

2021年12月27日(月)10時02分

 12月26日、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)撤廃に尽力し、1984年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ムピロ・ツツ元大主教が26日、ケープタウンで死去した。90歳だった。写真はケープタウンで2017年10月撮影(2021年 ロイター/Mike Hutchings)

[ヨハネスブルク 26日 ロイター] - 南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)撤廃に尽力し、1984年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ムピロ・ツツ元大主教が26日、ケープタウンで死去した。90歳だった。

アパルトヘイトへの反対で非暴力主義を貫いたことで知られ、民主化が実現した後の95─99年、マンデラ政権下で、旧白人政権下での人権犯罪の実態を明らかにする「真実委員会」の委員長を務めた。

90年代後半に前立腺がんと診断され、入退院を繰り返していた。高齢者介護施設で安らかに亡くなったという。ラマポーザ大統領はテレビ演説で「最も優れた愛国者の1人」と述べ「我が国の損失は世界的な悲しみである」と語った。

1931年、ヨハネスブルク西方のクラークスドープ生まれ。いったん教師となったが、57年に教師を辞め、聖職者を目指してヨハネスブルクの聖公会神学院やロンドンのキングスカレッジなどで学び、75年にヨハネスブルクの英国国教会首席司祭となった。86年には黒人として初めて、ケープタウンの大主教となり、96年まで務めた。

パレスチナ問題や同性愛者の権利保護、気候変動、安楽死など様々な問題について発言し、国際的な影響力を持ち続けた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱UFJ銀、ジャックスの持ち株比率4割に 約39

ビジネス

アングル:「官僚主義」が阻む景気回復、ドイツ企業が

ワールド

米・イスラエル、ガザ住民受け入れ巡りアフリカ3カ国

ワールド

中国・イラン・ロシア、北京で次官級会合 イラン核問
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中