ニュース速報

ワールド

10月の豪住宅価格、前年比+21.6% 1989年以来の高い伸び

2021年11月01日(月)13時45分

 11月1日、不動産コンサルティング会社コアロジックが発表したデータによると、オーストラリアの住宅価格は10月も引き続き上昇した。写真はシドニーで2017年5月撮影(2021年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 1日 ロイター] - 不動産コンサルティング会社コアロジックが1日発表したデータによると、オーストラリアの住宅価格は10月も引き続き上昇した。ただ、新規物件の増加と融資基準の厳格化に伴い、住宅市場の勢いが弱まる可能性がある。

豪住宅価格は10月に1.5%上昇し、上昇率は9月と同水準となった。前年比では21.6%上昇し、1989年以来の大幅な伸びとなった。地方の住宅価格は、新型コロナ禍で郊外が引っ越す人が増えたため24%上昇した。

シドニーの価格は前月比で1.5%、前年比で25%上昇し、価格中央値は101万豪ドル(75万8914米ドル)。

メルボルンは前年比16%、ブリスベンは22%、パースは16%、それぞれ上昇した。

住宅価格の上昇は家計や消費者心理に影響を及ぼしている。豪統計局推計によると、家計資産は主に不動産価値の伸びが主導して4─6月期に7350億豪ドルと過去最高に達した。

ただ、住宅価格の伸びは賃金上昇率を大きく上回っており、購入者は借り入れを拡大。規制当局は警戒を強め、融資基準の緩やかな引き締めを先月発表した。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこれまで、住宅市場沈静化に向けた利上げは景気を減速させ、雇用を奪うと主張してきた。ただ、中銀は2日の政策会合で景気支援姿勢を弱め、0.1%の債券利回り目標を廃止するとの観測が高まっている。

コアロジックによると、シドニーとメルボルンでは、ロックダウン(都市封鎖)緩和に伴い過去1カ月で新規物件が4万7040件増加。昨年10月の水準を約23%上回り、直近の最低水準を47%上回っている。

コアロジックのリサーチディレクター、ティム・ローレンス氏は「これらの要因と11月1日に設定されている信用評価基準の若干の引き締めを受けて、住宅市場は今後も徐々に勢いを失う可能性が高い」との見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、USスチール買収巡り新たな審査を当局に

ビジネス

米国株式市場・午前=一時切り返す、トランプ関税の9

ワールド

マスク氏は「自動車組み立て業者」と米大統領顧問、「

ワールド

日本は貿易交渉に「トップチーム」派遣、トランプ氏 
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中