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トルコ最高検、クルド系政党の解党申し立て 米は批判
3月17日、トルコ最高検察庁は、少数民族クルド人系野党、国民民主主義党(HDP)の解党を憲法裁判所に申し立てた。写真中央がHDPの有力議員で人権派のゲルゲルオール氏。17日アンカラのトルコ議会で撮影(2021年 ロイター)
[アンカラ 17日 ロイター] - トルコ最高検察庁は17日、少数民族クルド人系野党、国民民主主義党(HDP)の解党を憲法裁判所に申し立てた。国家の結束を崩す狙いで非合法武装組織のクルド労働者党(PKK)の傘下組織として活動していると主張した。
トルコでは政府が脅威と見なす政党を解散させることがこれまでにもあり、過去に解散を命じられたクルド系政党はいくつもある。
エルドアン大統領が率いる公正発展党(AKP)と協力関係にある政党はPKKとのつながりを理由にHDPの解党を呼び掛けてきた。エルドアン政権は新型コロナウイルス禍の景気落ち込みへの対応に苦戦しており、支持率は低下している。
HDPは、検察は政府の命令で行動していると批判し、解党の申し立ては「民主主義と法への大きな打撃」だと強調した。
通貨リラはHDP解党申し立ての政治的影響への懸念が重しとなり、下落した。
定数600の議会で55議席を有するHDPはPKKとのつながりを否定している。
PKKはトルコだけでなく米国と欧州連合(EU)がテロ組織に指定している。
米国務省は声明で、HDP解党を決定すれば「トルコの有権者の意思を不当に覆し、民主主義を一段と阻害し、何百万人もの市民が選出した代議士を排除することになる」と非難した。
トルコ議会はまた、この日、HDPの有力議員で人権派のゲルゲルオール氏の議員資格を剥奪した。ソーシャルメディアで「テロリストのプロパガンダ」を拡散したとして有罪判決を受けたことを理由に挙げた。
同氏が2年6月の禁錮刑判決を受けたことについて、HDPはPKKのコメントを含む記事をツイッターで共有したためだと説明している。