ニュース速報

ワールド

米、アストラ製ワクチン4月にも緊急使用許可の公算=NIH所長

2021年03月16日(火)05時57分

3月15日、米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長は、英アストラゼネカが米国で3万人の被験者を対象に実施した新型コロナウイルスワクチン臨床試験(治験)について、独立助言グループが結果を精査していると明らかにした。写真は2020年10月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[シカゴ 15日 ロイター] - 米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長は15日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、独立助言委員会が現在データを精査しており、約1カ月以内に米国で緊急使用が許可される可能性があると述べた。

コリンズ所長によると、アストラゼネカが米国で3万2000人の被験者を対象に実施した新型コロナウイルスワクチン臨床試験(治験)について、独立助言委員会が現在、結果を精査。安全かつ有効であることが示されれば、米食品医薬品局(FDA)が約3週間かけて治験データを分析した後、有識者委員会が会合を開き、使用許可の可否を判断する。

アストラゼネカの広報担当者は「米国実施の第3相治験データは近く出揃うと予想している。その後、すぐに米当局に緊急使用許可を申請する」と述べた。

アストラゼネカが英オックスフォード大学と開発した新型コロナワクチンは欧州連合(EU)などですでに承認されているものの、接種後に血栓症などの副作用の事例が報告されたことを受け、ドイツやフランス、イタリアなど、欧州の複数国が同ワクチンの接種を中止している。

コリンズ所長は同問題について、これら事例を巡るデータに目を通していないとしつつも、アストラゼネカワクチンと血栓に因果関係はないとする欧州規制当局の声明に「かなり安心している」と述べた。

世界保健機関(WHO)の報道官も15日、アストラゼネカ製の新型コロナワクチン接種後に報告されている血栓症などの副作用について諮問委員会が調査を進めているものの、因果関係を示す証拠は現時点で見つかっていないと、ロイターに対し明らかにした。

コリンズ所長は、新型コロナ変異株の台頭でワクチンの効果が薄れる恐れはあるかとの質問に対し、米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンが変異株にも十分に有効であることがこれまでのところ研究結果で示されていると述べた。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米労働生産性、第4四半期速報値は1.2%上昇 予想

ワールド

ガザ、米に引き渡される 米兵派遣の必要なし=トラン

ワールド

米ロ首脳会談「準備最終段階」とロシア有力議員、中東

ビジネス

米新規失業保険申請、1.1万件増の21.9万件 小
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 8
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 9
    「僕は飛行機を遅らせた...」離陸直前に翼の部品が外…
  • 10
    スーパーモデルのジゼル・ブンチェン「マタニティヌ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 8
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 9
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中