ニュース速報

ワールド

ブッシュ政権時代の幹部に共和党離れの動き

2021年02月02日(火)11時30分

かつてジョージ・W・ブッシュ政権を支えた多数の共和党員の間で、党を離れる動きが広がっている。写真は1月20日のバイデン大統領の就任式に出席する同氏、代表撮影(2021年 ロイター)

[1日 ロイター] - かつてジョージ・W・ブッシュ政権を支えた多数の共和党員の間で、党を離れる動きが広がっている。トランプ前大統領が選挙の不正を主張し、支持者が議会議事堂に乱入した後も、現職議員がトランプ氏排除に動かないことに幻滅しているためだ。

ロイターの取材で明らかになった。

これらの幹部は、トランプ氏の敗北で党指導部が前大統領と決別し、11月の大統領選を巡る根拠のない主張を批判することに期待していた。

しかし、共和党議員の大半がトランプ氏にこだわる様子を見て、もはやかつて自身が支えた党を理解できないと感じている。党員をやめたり、再登録しなかったり、無党派になる者もいるという。

ブッシュ政権で財務次官を務めたジミー・グルレ氏は「わたしの知っていた共和党はもう存在しない。あれはトランプのカルトだ」と一蹴した。

ブッシュ政権下のホワイトハウスで6年間働いたクリストファー・パーセル氏は、当時高官だった60─70人が党を離れることを決めたり関係を断っていると指摘。「その数は日々増えている」と述べた。

このように共和党を離れる動きは、トランプ氏とそのレガシーを巡る党内対立が分裂を招いていることの象徴とみられている。

共和党議員の半数以上は、議事堂乱入直後の採決で大統領選挙結果の承認に反対した。

上院議員の大半はトランプ氏の弾劾を支持しないとみられている。

かつての共和党幹部にとっては、党指導部がトランプ氏の否定に消極的なことが最後の一撃になった。

ブッシュ政権で財務省幹部だったロザリオ・マリン氏は「トランプの党であり続けるなら、われわれの多くは戻らない。上院が彼を有罪にし、自分たちからトランプというがんを取り除かない限り、共和党指導部を支持できない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米インフレ圧力、今年の最大リスク=ノルウェー政府系

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件増、継続受給は約3年

ワールド

米CNN、従業員の6%削減へ デジタル化推進の一環

ワールド

トルコ中銀、2.5%利下げ 主要金利45%に
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 4
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 5
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 6
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 9
    【トランプ2.0】「少数の金持ちによる少数の金持ちの…
  • 10
    トランプ就任で「USスチール買収」はどう動くか...「…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中