ニュース速報

ワールド

EU、ベラルーシの大統領選結果認めず 不正関与者に金融制裁

2020年08月20日(木)02時06分

欧州連合(EU)は19日、再選を決めたルカシェンコ大統領への抗議行動が続くベラルーシ情勢を巡り、テレビ会議形式で緊急首脳会議を開催した。写真はミシェルEU大統領。代表撮影(2020年 ロイター)

[ミンスク/ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)は19日、再選を決めたルカシェンコ大統領への抗議行動が続くベラルーシ情勢を巡り、テレビ会議形式で緊急首脳会議を開催した。会議では選挙の結果を認めないとし、選挙の不正や抗議活動の取り締まりに関与したとみられる当局者らに金融制裁を加えることを決定した。

議長を務めたミシェル大統領は「われわれのメッセージは非常に明確で、暴力を停止せよということだ」と表明。またフォンデアライエン欧州委員長は、今後制裁対象リストを早急に策定するとした上で、「ベラルーシ国民には自国の将来を決定する権利があり、EUはベラルーシ国民の味方だ」と強調した。

ベラルーシで9日に行われた大統領選では、ルカシェンコ氏が約80%の得票率で6選を決めた。

こうした中、ルカシェンコ大統領は、首都ミンスクでの抗議活動の鎮圧を警察当局に命令。国営通信を通じて声明を発表し「首都において今後いかなる騒乱も起こさない。国民は疲れており、平静を求めている」と述べた。

ウクライナでは、2014年の親ロ派政権の崩壊後、ロシアが軍事介入に踏み切っており、EUはこうした事態が再発することに危機感を募らせている。

ドイツのメルケル首相は「ベラルーシが独自の路線を見いださねばならないことは明白で、それは国内での対話を通じて実現しなければならず、外部からの介入があってはならない」と指摘。またルカシェンコ氏に電話をかけたものの、話し合いを拒否されたと明らかにした。

ロシアのペスコフ大統領報道官は19日、名指しは避けながらも外国勢力がベラルーシに介入しており、容認できないと非難した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米次期安保担当補佐官、現政権と連携 「隙生じない」

ビジネス

米SEC、印財閥アダニ会長に召喚状発行 贈賄疑惑で

ビジネス

TikTokのCEO、米情勢巡りマスク氏に助言求め

ワールド

ウクライナ戦争志願兵の借金免除、プーチン大統領が法
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 10
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    2人きりの部屋で「あそこに怖い男の子がいる」と訴え…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中