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日本は米中二者択一の立場取らない=石破自民元幹事長
7月3日、自民党の石破茂元幹事長(写真左)は、日経新聞主催のイベントで講演と質疑応答を行い、日本は米国と中国のいずれか二者択一の立場は取らないと述べ、日米同盟を両国の関係が対等なものに見直す必要性を強調するとともに、中国に対して領土の拡張を許さないことが重要と指摘した。写真は都内で7月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 3日 ロイター] - 自民党の石破茂元幹事長は3日、日経新聞主催のイベントで講演と質疑応答を行い、日本は米国と中国のいずれか二者択一の立場は取らないと述べ、日米同盟を両国の関係が対等なものに見直す必要性を強調するとともに、中国に対して領土の拡張を許さないことが重要と指摘した。
<駐留経費4倍引き上げ、「日米同盟とは何かを突き付けている」>
石破元幹事長は日本の将来像として「持続可能で独立した国家」とのイメージを示した。
ボルトン前米大統領補佐官の著作で明らかになったトランプ大統領による在日駐留米軍経費の3-4倍引き上げ要求に関して、真偽は知らないと前置きをしつつ「同盟とは何かを突き付けている」と指摘。日米同盟は「双方の国が負担する義務の内容が異なる世界で唯一の同盟」と形容し、「単なるディールの関係なのか、米国との関係をより対等なものにする必要がある」と強調した。
日米安全保障条約に関して「日本と米国で解釈が全然違う可能性がある」とし、重光葵外相がダレス米国務長官との会談(1955年)で、自衛目的なら米領グアム防衛のために自衛隊を海外派兵することは憲法上許容されるとの見解を示した際に、ダレス国務長官は「日米同盟によって米国が得られるものは、日本に駐留する権利だと喝破している」と例示した。
その上で石破氏は米軍の「三沢、横田(基地)に、何が何のためにあるのか、法的・能力的に検証し、どのような役割分担か認識した上で改善すべき」と主張した。
<中国の領土拡張、認めない同盟の連携必要>
中国に関しては「長い間、(中国が)豊かになれば民主的な国になると米国などはナイーブに信じていたが、香港への対応を見ていると、全然そうではなかった」と述べ、強硬措置を取る国との認識を示した。
中国による領土拡張の動きに対して「それは認めないと言う力を持たねばならない、(周辺国との)同盟の連携を持たねばならない」と強調した。同時に天安門事件後に国際的に孤立した中国にいち早く日本が経済連携を示したことが「今日の状況をもたらした」とも指摘した。
日韓関係は「悪化することで日本にプラスはない」と指摘すると同時に、韓国や東南アジア諸国の歴史・文化を日本が理解し関係を強化する必要性を強調し、日本側が強化しなければ「中国が手を伸ばしてくる」と警戒感を示した。新型コロナウイルスによる活動自粛期間中は韓国の歴史を勉強したと披露した。
(竹本能文 編集:内田慎一)