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豪家計債務によるリスクがやや後退、注視なお必要=中銀

4月13日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、半年ごとの金融安定化報告書を公表し、高水準な家計債務と銀行の積極的な融資慣行を背景に積み上がったリスクがやや後退したとの見解を示した。写真はシドニーのショッピング街で昨年11月撮影(2018年 ロイター/Steven Saphore)
[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は13日、半年ごとの金融安定化報告書を公表し、高水準な家計債務と銀行の積極的な融資慣行を背景に積み上がったリスクがやや後退したとの見解を示した。ただ、引き続き注視する姿勢も示した。
中銀は、資産バブル阻止に向けた一連の規制措置が奏功し、家計の金融ストレスは広がっていないと指摘。「高リスク型の新規住宅ローン借り入れを巡る懸念が和らいだ」とした。
「高水準な家計債務は、家計の金融ストレスの増大が経済へのショックを増幅させるリスクを高める」と警告したうえで、「金融ストレスの総合的指標の多くは低水準にとどまっている」とした。
豪州の規制当局は、家計の収入に対する債務の割合が過去最高の190%に達したことを受け、銀行に住宅ローン金利の引き上げなどを通じてローンの伸びを抑制するよう圧力をかけてきた。
中銀は、当初は利息分だけ返済を行うインタレスト・オンリー型住宅ローンの残高が高水準にあることは懸念材料となる可能性があると説明。このローン残高の大半は、利息分だけ返済する期間が2018年─21年の間に期限を迎え、その後は返済額が大幅に増えることになる。
中銀は、借り手の大半は増額後も返済が可能だと見込むとした。
ファイナンシャルアドバイザーの不手際や金利操作などの不祥事が相次いでいる国内銀行部門については、「銀行が直面する中心的な課題は、企業文化を起因とする問題に対処すること」と指摘。
「豪銀は十分な資本を確保しており、入手可能な情報に基づくと、銀行の全般的なストレス耐性に対して不祥事がもたらすリスクは限定的とみられる」とした。