ニュース速報

ワールド

中国、米国が貿易摩擦を激化させればちゅうちょなく反撃=商務省

2018年04月12日(木)17時07分

 4月12日、中国商務省は、米国との貿易問題がエスカレートした場合の準備は十分できており、ちゅうちょなく反撃すると警告した。写真は6日山東省の港で撮影(2018年 ロイター)

[北京 12日 ロイター] - 中国商務省は12日、米国との貿易問題がエスカレートした場合の準備は十分できており、ちゅうちょなく反撃すると警告した。さらに、習近平国家主席が表明した一部の輸入関税の引き下げは、譲歩ではないと主張した。

習主席は10日、ボアオ・アジアフォーラムでの演説で、中国経済の開放をさらに進め、自動車を含む一部製品の輸入関税を年内に引き下げる方針を表明。トランプ米大統領はツイッターで「関税や自動車障壁のほか知的財産権や技術移転の認識を巡る習主席の丁重な発言に感謝する」と述べていた。[nL3N1RN5D1]

これに対し商務省の高峰報道官は定例記者会見で、習主席の演説が通商問題における米国への譲歩だとするのは語弊があると発言。同主席は中国の改革開放戦略の要点を述べたに過ぎず、米国との貿易摩擦とは無関係だと話した。

高報道官は、双方に対する関税を完全に同規模とするのは合理的ではないとしたほか、世界貿易機関(WTO)のルールでは二国間関係で関税を同等化する必要性はないと指摘した。

また、中国と米国は二国間の貿易摩擦を巡る交渉を行っていないと述べた。中国政府が米側との交渉に前向きであるかどうかの問題ではなく、米国が誠意を示していないとの考えを示した。

さらに、中国は自らの計画に基づいて市場の開放を進めるほか、習主席が約束した関税引き下げをできるだけ早期に実施する、と述べた。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は論説記事で、米国が取ることができる対応は、中国の開放表明に誠実に応えて友好的な交流を始めるのか、不合理な要求で中国に圧力をかけ続けて貿易摩擦を激化させるのか、のどちらかだと指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国BYD、1万ドル切るモデルに先進運転支援システ

ビジネス

EU、共通農業政策を簡素化へ 産業の規制負担を軽減

ワールド

トランプ氏、就任後に中国主席と電話協議 「良好な個

ワールド

ガザ人質全員解放しなければ「地獄見る」、トランプ氏
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「だから嫌われる...」メーガンの新番組、公開前から大炎上の納得理由
  • 2
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポーランドで発見
  • 3
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップルは激怒
  • 4
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 7
    36年ぶりの「絶頂シーン」...メグ・ライアンの「あえ…
  • 8
    世界のパートナーはアメリカから中国に?...USAID凍…
  • 9
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 10
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中