ニュース速報

ワールド

米テキサス州、地震急増の原因はシェール採掘か=研究

2016年05月18日(水)18時35分

 5月17日、米テキサス大学オースティン校の地質学者クリフ・フローリッチ氏率いるチームが発表する調査で、過去40年間にテキサス州で発生した地震の約9割が石油とガスの採掘に誘発されていた可能性があることが分かった。同州の油田で2015年8月撮影(2016年 ロイター/Mike Stone)

[ヒューストン 17日 ロイター] - 米テキサス大学オースティン校の地質学者クリフ・フローリッチ氏率いるチームが発表する調査で、過去40年間にテキサス州で発生した地震の約9割が石油とガスの採掘に誘発されていた可能性があることが分かった。さらに、ここ10年間で油田採掘が増加したのに伴い、地震の頻度も増しているという。

ロイターが公表内容を事前に入手した。

同チームは、1975─2015年にテキサス州で発生したマグニチュード3以上の地震162回について調査。その結果、約25%が石油・ガスの採掘によって「ほぼ確実に」誘発されたもの、33%が「誘発されたとみられる」もの、28%が「誘発された可能性がある」ものだった。

シェール石油・ガスの採掘が盛んになった2008年以降は、M3以上の地震が年間2回から12回に増加した。

シェール採掘では従来の方法の2─3倍の排水が発生し、地下深くの排水井戸に注入される水量が大幅に増加。これが最近テキサス州とオクラホマ州で頻度が高まっている地震の原因ではないかと指摘されている。特に採掘時に大量の水が出るオクラホマ州では、2009年以前は年に2─3回だったM3以上の地震が、2015年だけで890回になったという。

一方、テキサス州の産油事業を統括するテキサス鉄道委員会の広報担当者は、この研究結果は「独断的かつ主観的」と一蹴。委員会として注水量軽減に向け措置をとっていると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 9
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中