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ドイツ墜落機の副操縦士は「良い若者」、地元から驚きの声

2015年03月27日(金)13時58分

 3月26日、150人が死亡した独旅客機墜落事故は、副操縦士が故意に墜落させた可能性が指摘されているが、同副操縦士について地元からは「良い若者」だったとの声が聞こえてくる。写真は同副操縦士とされる男性。ロイターTVの映像から(2015年 ロイター)

[モンタバウア(ドイツ) 26日 ロイター] - 乗客乗員150人全員が死亡した独格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機墜落事故。同事故を調査している検察当局は、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が故意に墜落させた可能性があると発表したが、同副操縦士について地元からは「普通の人」、「良い若者」との声が聞こえてくる。

ルビッツ副操縦士は、ドイツ西部にある人口約1万2000人ほどの小さな町モンタバウア出身。副操縦士が最初の飛行免許を取得した航空クラブの責任者は「まったく普通の男だった」とコメント。昨秋には再訓練コースを受けに戻ってきたことを明かし、その時の印象も「とても感じが良く、面白くて礼儀正しい若者」だと語った。

同旅客機が墜落したフランスの検察当局が26日、ルビッツ副操縦士が故意に墜落させた可能性があると発表すると、モンタバウアの町には衝撃が走った。

ドイツ当局は、機長がコックピットを離れた際、なぜルビッツ副操縦士が独りで操縦し、機体を降下させたのか説明がつかず困惑している。デメジエール内相は、ルビッツ副操縦士とテロ組織との関わりは見つかっていないとしている。

副操縦士のフェイスブックのページからは、ハーフマラソンに参加したり、ポップ音楽やクラブに興味があったり、米サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジを訪れたりと、活動的なライフスタイルを送っていたことが伺える。

航空クラブの長年のメンバーでルビッツ副操縦士をよく知る男性は「言葉にならない。懇意にしていた私には信じられない」と驚きを隠さない。「とてもいい若者。物静かなときもあるが、とても楽しい人だった。ここにいる多くの若者とまったく同じだ」と述べた。

捜査当局は副操縦士の実家も家宅捜索。近所に住む男性はこうした事態に「とてもショックを受けている」と話した。

また、副操縦士が2007年に卒業した高校の校長はロイターに対し「あなた方と同様、私も衝撃を受け、驚いている」と語った。

ジャーマンウィングスは今のところ、副操縦士に関して断片的な情報しか明らかにしていない。副操縦士は2013年9月、ジャーマンウィングスに入社、操縦時間は630時間だった。一方、機長の操縦時間は6000時間超で、親会社のルフトハンザに10年間勤務していた。

副操縦士は北部の都市ブレーメンにあるルフトハンザのパイロット訓練校でトレーニングを受けたが、同校は副操縦士についてコメントするのを差し控えた。地元の航空クラブはウェブサイト上に墜落機の便名と副操縦士の名前とともに黒いリボンを掲げた。

前述の同クラブに所属する男性は「彼は友人が多く、孤立していなかった。グループに溶け込んでいた」と話した。

*副操縦士の年齢と誤字を修正して再送します。

ロイター
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