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アングル:ウクライナ債務、大幅な元本減免不可避か

2015年03月26日(木)17時07分

[ロンドン 25日 ロイター] - 東部地域で続く戦闘や経済の深刻な悪化に直面するウクライナは、債務返済が一段と厳しくなっている。国際通貨基金(IMF)が中心になってまとめている救済策の下、債権者はヘアカット(債務元本の減免)を強要され、投資額のかなりの部分を失う可能性が現実味を増している。

ウクライナのヤレシコ財務相は、向こう4年間で153億ドルの債務削減を要求。債務削減には、債券の償還期限の延長や、金利の削減、いわゆる「ヘアカット」と呼ばれる元本減免といった手法がある。

債権者はヘアカットには応じないとして一斉に反発しており、フランクリン・テンプルトンの運用担当者マイケル・ハッセンスタブ氏などが、相次いで債権者グループを設立。徹底抗戦の構えを示している。30億ドル相当のウクライナ債券を保有しているロシアも例外ではない。

ドイツ銀行の推定によると、2015─18年に償還期限を迎えるウクライナ国債・政府保証債は元本148億ドル、金利が42億ドル。

債権者の多くは、ウクライナが要求している債務削減の大半は返済延期で対応できる、と強調。ウクライナの債務を2020年までに年間国内総生産(GDP)の70%に減らすという目標については、景気回復と通貨フリブナの持ち直しを通じて達成可能、と主張している。

しかし、ウクライナのヤレシコ財務相は、債権者側の提案を一蹴。債務交渉に近い関係筋の話によると、ヤレシコ財務相は、「かなりの」再編なしには、またすぐに返済に行き詰まる、と主張しているという。

<ヘアカットは不可避な雲行き>

東部で続く戦闘や経済悪化を踏まえ、債権者は心の中では、債務の大規模な削減が必要だということが分かっている。また、ギリシャの経験から、国際支援機関は公的資金を投じた救済に消極的になっている。

ある債権者は「債務再編を行う場合、民間の貸し手にヘアカットを強制することがIMFの標準的な政策となっている。(ウクライナ債務で)ヘアカットが要求されなければ、逆にサプライズだ」と話す。

ドイツ銀行の顧客向けリポートによると、IMFの救済策は10年以上への償還期限延長、35─40%のヘアカットを前提にしている。

ロシア政府は、保有するウクライナ債券はソブリン債として分類されるべきであり、パリクラブ(主要債権国会議)で対応すべきとの立場を崩しておらず、これまでのところ債務再編交渉には応じていない。

*見出しを修正して再送します。

(Sujata Rao記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子)

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