インフレ引き続き低下へ、 不確実性は高い=米アトランタ連銀総裁
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は2日、雇用を巡る経済指標が重要な判断材料になるとの考えを示し、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの可能性について、自身の見解はまだ決めていないと述べた。2019年8月撮影(2024年 ロイター/Jonathan Crosby)
Howard Schneider
[2日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は2日、雇用を巡る経済指標が重要な判断材料になるとの考えを示し、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの可能性について、自身の見解はまだ決めていないと述べた。
ボスティック氏は記者団に対し「不確実性が極めて高い。今月の会合に予断を持って臨むつもりはない」と述べ、6日に発表される11月の雇用統計を含む経済指標を注視する姿勢を示した。
ボスティック氏はこの日に発表した論考で、インフレ率は連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%に向けて引き続き低下していくというのが自身の基本シナリオだと言及。同時に、雇用市場に過度な悪影響を及ぼすことなく、インフレ率を目標水準に確実に引き下げるために、金利をどの程度の水準まで、どの程度の速さで引き下げるべきかは課題になっていると指摘した。
一部のインフレ指標がここ数カ月間、ほとんど改善していないことについては、全体的に見ているとし、「データが一様でないことを、物価安定に向けた進展が完全に停滞した兆候とは見なしていない」と述べた。
今月17─18日のFOMCで利下げを支持するかについては言及しなかったものの、最大雇用と物価安定というFRBが担う2つの責務を巡るリスクがほぼ均衡していることを踏まえると、経済活動を刺激も抑制もしない中立的な金融政策スタンスへの移行が理にかなっているとの考えを示した。
米国の労働市場については、全般的に秩序立った形で鎮静化しつつあるとし、これは歓迎すべきことだと言及。同時に「国内外で地政学的不確実性が払拭されておらず、新たなインフレ圧力が生み出される可能性がある」とし、「マクロ経済の好調な展開が続く保証はない。さまざまな不確実性が残っており、労働市場の健全性と物価安定の両面に対するリスクは存在している」と述べた。
ボスティック総裁は今年のFOMCで投票権を持っている。