中国新規銀行融資、8月は9000億元に回復 予想には届かず
中国の銀行の8月の新規人民元建て融資は9000億元(1268億6000万ドル)で、7月(2600億元)から大幅に増加したものの、アナリスト予想(1兆3600億元)には届かなかった。写真は人民元紙幣。2017年5月撮影(2024年 ロイター/Thomas White)
[北京 13日 ロイター] - 中国の銀行の8月の新規人民元建て融資は9000億元(1268億6000万ドル)で、15年ぶりの低水準だった7月(2600億元)から大幅に増加したものの、アナリスト予想(1兆3600億元)には届かなかった。
中国人民銀行(中央銀行)が発表した1─8月のデータを基にロイターが算出した。
1─8月の新規融資は14兆4300億元だった。
マネーサプライM2は前年比6.3%増。アナリスト予想は6.2%増、7月は6.3%増だった。
8月末の元建て融資残高は前年比8.5%増。7月(8.7%増)、アナリスト予想(8.6%増)を下回った。
キャピタル・エコノミクスのリア・フェイ氏はメモで、「8月は融資残高も新規融資も予想を下回った」とし「政府支出の強化は数カ月にわたり経済を押し上げるだろうが、民間信用需要が回復して経済にプラスに働く可能性は低い」との見方を示した。
UBSのアナリストは、中国人民銀行が年内に主要政策金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げ、預金準備率を25bp下げると予想している。
ロイターの算出で、8月は住宅ローンを中心とする家計向け融資が1900億元増加し7月の2100億元減からプラスに転じた。法人向け融資は7月の1300億元から8400億元に増加した。
広義の与信・流動性を示す社会融資総量の前年比伸び率は8.1%で7月の8.2%から鈍化した。8月の社会融資総量は3兆0300億元。7月は7700億元、アナリスト予想は2兆9500億元だった。