ニデックは47%営業増益に上方修正、水冷機器の需要増 円安も寄与
7月23日、ニデックは、2025年3月期(国際会計基準)の業績予想を上方修正した。写真はニデックのロゴ。都内で2018年7月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Ritsuko Shimizu
[東京 23日 ロイター] - ニデックは23日、2025年3月期(国際会計基準)の業績予想を上方修正した。連結営業利益は2300億円から2400億円(前期比47.6%増)へと引き上げた。ハードディスクドライブ(HDD)モーターの需要が回復しているほか、AIサーバー向け水冷システムの需要が急拡大している。円安も寄与した。
上期業績見通しを引き上げた一方で、下期の業績見通しは、期初予想を若干引き下げている。岸田光哉CEO(最高経営責任者)は会見で、これまで車載事業で計画を下振れたことなども踏まえ「達成する集団」として、下期の慎重な見通しを説明した。
IBESがまとめたアナリスト18人の通期営業利益見通しのコンセンサス予想平均値は2468億円だった。
連結売上高は2兆4000億円から2兆5000億円(同6.5%増)、純利益は1650億円から1850億円(同48.1%増)へとそれぞれ引き上げた。
通期の想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=155円の従来前提を据え置いた。
岸田CEOは、水冷モジュールについて「想定したレベルと違うレベルが実現できている」と述べ、周辺部品を含めて高い需要があるとした。
4―6月期の連結売上高は前年同期比14.8%増の6481億円、営業利益は同0.1%増の602億円で、四半期ベースで過去最高となった。ニデックPSAイーモーターズの連携子会社化に伴う利益計上も寄与した。一方、欧州関連の構造改革費用として15億円を計上した。
4―6月期の平均為替レートは1ドル=155.88円で前年同期比14%の円安、1ユーロ=167.88円で同12%の円安となり、売上高で約595億円、営業利益で約65億円のプラスとなった。
同日、9月30日を基準日として10月1日付で1対2の株式分割を実施することも発表した。株式分割に伴い、5月に決めた自社株買い(2025年5月26日まで)の取得株式総数の上限を500万株から1000万株に変更した。
岸田CEOは、中長期には2030年度に売上高10兆円を目指す方針をあらためて示した。自律成長で7兆円、新規M&A(合併・買収)で3兆円を加えるという。どのような事業でM&Aを検討するかなどの詳細については言及を避けた。