韓国カカオ創業者逮捕、芸能事務所の株価不正つり上げの疑い
韓国IT大手「カカオ」創業者、金範沫容疑者が23日、逮捕された。複数の業界専門家は、カカオの人工知能(AI)分野への投資や、海外事業拡大に関する計画に悪影響を及ぼす可能性があるとみている。写真はカカオバンク提供アプリのアイコン。2021年8月撮影(2024年 ロイター/Florence Lo)
Joyce Lee
[ソウル 23日 ロイター] - 韓国検察当局は23日、昨年の芸能事務所買収に絡み同社の株価を不正に操作した疑いでIT大手「カカオ」の創業者、金範沫容疑者を逮捕した。
複数の業界専門家は、カカオの人工知能(AI)分野への投資や、海外事業拡大に関する計画に悪影響を及ぼす可能性があるとみている。
検察の申し立てによると、金容疑者は昨年2月、芸能事務所「HYBE(ハイブ)」が大手芸能事務所SMエンタテインメントを買収するのを妨害するため、SMエンタの株価を不正につり上げた。
金容疑者はこれを否認し、不法行為を命じたり、認めたりしていないと主張している。
裁判所が証拠隠滅や逃亡の恐れがあるとして逮捕を認めた。金容疑者は最長20日間拘留され、この間に検察は裏付け捜査を進めて正式な起訴を行うかどうか判断する。
カカオは声明で、今回の事態を「不幸なこと」とし、鄭信亜最高経営責任者(CEO)を中心に経営の空白を最小化する考えを示した。
金容疑者はカカオの筆頭株主で、関連団体と合わせて24%の株式を保有している。
カカオの株価は5.4%下落し、2022年12月15日以来の大幅な下げとなった。
関連会社のカカオペイは7.8%安、 カカオゲームズ5.2%安となり、いずれも上場来安値を記録した。カカオバンクも3.8%下落した。