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米利上げあと1回、利下げ予測見直しへ=クリーブランド連銀総裁

2023年08月27日(日)18時42分

米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は26日、ロイターのインタビューで、インフレを抑制するには、おそらくあと1回利上げし、その後「しばらく」据え置く必要があるとの見方を示した。26日撮影。(2023年 ロイター/Jim Urquhart)

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 26日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は26日、ロイターのインタビューで、インフレを抑制するには、おそらくあと1回利上げし、その後「しばらく」据え置く必要があるとの見方を示した。2024年後半の利下げ開始という自身の予想は見直すことになると述べた。

メスター氏は、経済が崩壊するほどの引き締めは望んでいないが、インフレ率が25年末までに目標の2%まで下がるような政策を志向するとした。

インフレの高進は市民の重い負担になるばかりでなく、インフレを放置すれば経済が将来のショックに対し脆弱になると指摘した。

インフレ率が2%を上回る状態が長引くほど、物価水準はどんどん上昇して家計が打撃を受けるとし、「だからこそ、タイムリーであることが重要だと考えている」と述べた。

メスター氏は、6月時点では24年後半の利下げを想定していたが、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)向けに提出する予測は修正することになると指摘。「予想は見直すことになる。なぜなら、インフレ率がどの程度のスピードで低下するのかが問題になるからだ」と述べた。

経済成長は大方の予想以上に堅調で、労働市場も依然逼迫しているが、FRBの利上げはその両方の強さを緩和するとの見方を示した。

ただ、3%まで低下したインフレ率については、適切なタイミングで2%に戻ると想定することには慎重で、「時期尚早に政策を緩める立場にはなりたくない」と語った。

6月のFRBの予測では、25年末のインフレ率が中央値で2.1%。メスター氏の予測は2%だったという。

メスター氏は、25年末までの2%達成は絶対というわけでなく、それによって経済が大打撃を受けるようなら先延ばしもあり得ると述べた。

ただ、現時点でそれは想定しておらず「現在の状況やインフレの水準を考えると、実体経済にダメージを与えることなく2%まで下げることは可能だと思う」とし「(25年までにインフレ率を2%にする)時間枠に確実に戻れるよう、政策を調整するつもりだ」と述べた。

今回の引き締めサイクルでおそらく最後となる次の利上げについて「必ずしも9月である必要はないが、年内だと思う」と語った。

ロイター
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