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中国、若年失業率の公表一時停止 海外投資家の信認さらに低下も

8月15日、中国国家統計局の報道官は、8月から若者の失業率データの発表を停止することを明らかにした。写真は北京での就職フェア。6月撮影(2023年 ロイター/Thomas Peter)
[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局は15日、若年層の失業率について、測定方法を改善する必要があるためデータの公表を一時停止したと明らかにした。
国内の雇用見通しに対する不満が高まる中、ソーシャルメディア上ではこの決定に批判が相次いだ。これに先立ち発表された鉱工業生産と小売り売上高の統計は予想よりも弱い数字となり、景気減速を示す内容となった。
統計局の報道官は「大学卒業予定の学生の大半はすでに就職先を決めており、就職状況はおおむね安定している」と説明し、新卒者の就職率は「前年同期より若干高い」と述べた。
ここ数年の規制強化により不動産やハイテク、教育など、これまで新卒を多く受け入れてきたセクターが影響を受け、中国の若者は最も厳しい夏の就職活動シーズンを迎えている。
先月発表された直近データによると、16─24歳の若者の失業率は6月に21.3%と過去最高に達した。
中国通信社が先週民間の調査データを引用して報じたところによると、卒業後半年以内に出身地に戻った学生の割合は2022年に約47%で、18年の43%から上昇した。
統計局報道官は、経済と社会は変化し続けており、統計作業は常に改善が必要なため、データ公表を一時停止すると説明した。
就職活動中の学生を失業者の統計に含めるべきかどうかや年齢層の定義については「さらなる研究が必要だ」と語った。
これまで若年層の失業率は16歳から24歳が対象となっていた。
野村の中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏は「入手できるマクロデータが減れば、海外投資家の中国に対する信認が一段と低下する可能性がある」と指摘。7月の若年層の失業率は悪化すると予想されていたと述べた。