ニュース速報
ビジネス
企業、賃上げ吸収できる利益を確保=OECD雇用見通し
経済協力開発機構(OECD)は11日に公表した「2023年雇用見通し」の中で、ほとんどの国の企業は高インフレに対応するために必要な賃上げを吸収できるだけの利益を確保していると指摘した。パリのOECD本部で2009年9月撮影(2023年 ロイター/Charles Platiau)
[パリ 11日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は11日に公表した「2023年雇用見通し」の中で、ほとんどの国の企業は高インフレに対応するために必要な賃上げを吸収できるだけの利益を確保していると指摘した。
労働市場は逼迫しているが、調査対象の34カ国中31カ国では雇用主がインフレ率に見合った賃上げを行っていないという。
インフレを考慮すると、賃金は第1・四半期に前年同期比3.8%下落。ハンガリーの下落率が15.6%で最も大きかった。
高インフレが労働者の購買力を低下させる一方で、調査対象の全ての国では企業利益が新型コロナウイルス禍以降、賃金を上回るペースで伸びている。
OECDの労働政策責任者、ステファノ・スカルペッタ氏は記者会見で「生活費危機のコストは、政府と企業、労働者が分担しなければならない」と指摘。「企業には賃金上昇のスパイラルを発生させることなく、ある程度の賃上げに対応できるだけの利益がある」と語った。