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6月ロイター企業調査:供給網混乱で生産影響5割、調達先を分散

6月のロイター企業調査で、過去3年間でサプライチェーン(供給網)の混乱によって生産活動に影響が出たことがあるか聞いたところ、約半数が「ある」と回答した。写真は川崎市の京浜工業地帯で2010年8月撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 22日 ロイター] - 6月のロイター企業調査で、過去3年間でサプライチェーン(供給網)の混乱によって生産活動に影響が出たことがあるか聞いたところ、約半数が「ある」と回答した。サプライチェーンの強靭化に向けて「対策をしている」もしくは「これから対策する」とした企業は約6割。具体的な対策として「調達先の分散」が8割と最も多かった。
調査は6月7日─16日。調査票発送企業は493社、回答社数は232社だった。
政府は昨年12月、経済安全保障推進法の「特定重要物資」として、「半導体」や「蓄電池」、「重要鉱物」など11分野を指定した。このうち、今後調達難となった場合、事業に影響が出る可能性があるものを企業に聞いたところ「半導体」が54%と最も多く、「重要鉱物」が17%、「天然ガス」が16%、「工作機械・産業用ロボット」が14%と続いた。
その他では、鋼材や木材といった建設資材や防災設備などの不足が事業に影響を与えるとの指摘が建設業・不動産業からあったほか、小売業からは中国から輸入しているPB(プライベートブランド)商品の調達を警戒するコメントがあった。
サプライチェーンの強靭化に向けて「対策をしている」、「これから対策する」とする企業は合計で63%となった。具体的な対策(複数回答可)としては「調達先の分散」が80%に上り、「調達先に関する情報把握」が62%、「在庫の積み増し」が36%で続いた。
サプライチェーンに関連するリスク(複数回答可)としては「自然災害・気候変動」が74%で最も多かった。「パンデミック」は51%、「米中対立の激化」は50%だった。「ウクライナ情勢」、「台湾情勢」もそれぞれ4割程度と地政学リスクも警戒されている。
(杉山健太郎 グラフィック作成:照井裕子 編集:橋本浩)