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フォード第1四半期20%増収、SUVなど好調 EV見通しは重し
自動車大手フォード・モーターが発表した第1・四半期決算は、売上高が20%増加した。サプライチェーンの混乱緩和に伴い、ピックアップトラックやスポーツ多目的車(SUV)に対する旺盛な需要への対応が可能となった。(2023年 ロイター/Brendan McDermid)
[2日 ロイター] - 自動車大手フォード・モーターが発表した第1・四半期決算は、売上高が20%増加した。サプライチェーンの混乱緩和に伴い、ピックアップトラックやスポーツ多目的車(SUV)に対する旺盛な需要への対応が可能となった。
ただ、電気自動車(EV)部門の赤字が続く中、通年の業績については控えめな見通しを示した。
第1・四半期の売上高は415億ドル。前年同期は345億ドルだった。
利益は18億ドル(1株当たり0.44ドル)で、前年同期の31億ドル(同0.78ドル)の損失から黒字に転じた。調整後の希薄化後1株利益は0.63ドル。前年同期は0.38ドル、市場予想は0.41ドルだった。
EBIT(利払い・税引き前利益)は34億ドルと、市場予想の24億ドルを大幅に上回った。
通年の調整後税引き前利益は90億─110億ドルとする見通しを確認した。これにはEV部門で見込む30億ドルの損失が含まれる。
株価は引け後の取引で2%下落した。
自動車業界が需給のリバランスを迎える中、業界全体で見られる販売奨励策の拡大は収益性への「逆風」になるとも警告した。
フォードは今回、内燃エンジン車部門「フォード・ブルー」、商用車部門「フォード・プロ」、EV部門「フォード・モデルe」の事業別業績を初めて公表した。ブルーのEBITは25億6000万ドル、マージンは10.4%、プロはそれぞれ14億ドルと10.3%だった。
モデルeの損失を踏まえた全体のEBITマージンは8.1%だった。
ジョン・ローラー最高財務責任者(CFO)は、EV部門のEBITマージンが2024年末までにプラスに転じる見通しとした。
また、マクロ経済見通しは「ひいき目に見ても不透明」で、フォードは今年も価格への圧力が続くと見込んでいるとした。
同社はこの日、今年2回目となるEV「マスタング・マッハE」の値下げを発表した。
ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で「いかなる犠牲を払っても」EVの販売台数拡大を追求するわけではないと述べた。
また、中国で需要減速に直面する中、現地事業をより少ない投資で運営できるよう再編し、EVを含め商用車事業を強化する考えを示した。