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機械受注1─3月は前期比3.6減、非製造業に弱さ 先行き減少見通し
内閣府が5月19日に発表した3月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比7.1%増となった。ロイターの事前予測調査では前月比3.7%増と予想されており、結果はこれを上回った。川崎市の京浜工業地帯で2009年4月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 19日 ロイター] - 内閣府が19日発表した3月の機械受注統計によると、船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は前月比7.1%増の8695億円となった。新型コロナウイルスの感染が再拡大した1━3月期は非製造業に弱さがみられ、前期比3.6%減で着地。先行き4━6月期も非製造業を中心に同8.1%減少する見通しで、ウクライナ情勢や原材料価格の上昇、不安定な為替動向などがリスク要因として警戒されている。
3月は3カ月ぶりに増加に転じ、ロイターの事前予測調査(前月比3.7%増)も上回ったが、トレンドをみる上で参考にしている3カ月移動平均が引き続きマイナスとなっていることから、内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いた。
製造業は前月比7.1%増の4545億円と、3カ月ぶりにプラスとなった。17業種中12業種が増加し、5業種が減少した。最もプラスに寄与した業種は「非鉄金属」で、「その他製造業」や「はん用・生産用機械」も押し上げに寄与した。
非製造業(除く船舶・電力)は同11.0%増の4305億円となり、3カ月ぶりプラス。11業種中9業種が増加し、2業種が減少した。業種では「金融業・保険業」や「情報サービス業」、「運輸業・郵便業」などがプラスに寄与した。
外需は前月比14.2%減の1兆0888億円で、2カ月連続で減少した。
<4─6月期、非製造業を中心に慎重>
四半期では、1─3月は前期比3.6%減と4期ぶりのマイナスとなった。製造業は同0.8%増と4期連続で増加した一方、非製造業は8.1%減と2期ぶりに減少した。
先行き4━6月期は全体で前期比8.1%減と、2期連続で減少する見通し。製造業は同0.1%減の予想だが、非製造業が12.1%減とさらなる落ち込みが予想されている。
内閣府の担当者は「ウクライナ情勢や原材料価格の上昇、中国のロックダウンに伴う供給面の制約など下振れリスクが出てこないか注意してみていく必要がある」としている。
みずほ証券の稲垣真太郎シニアマーケットエコノミストは、急激な為替の変動も企業の設備投資意欲を低下させる可能性があると指摘。「安定しない為替レートによって事業環境が見通しづらく、しばらくは設備投資に慎重姿勢を見せる企業が増える可能性はある」との見方を示した。
機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/menu_juchu.html
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(杉山健太郎 編集・グラフ作成:田中志保)